人々の情報消費、そして購買行動がオンラインにシフトするほど、オンライン広告の市場規模は拡大していく。そうやってオンライン広告市場は拡大の一途をたどってきた。そしてこの流れは、今後も変わらないだろう。

 市場が拡大しているとはいえ、オンライン広告媒体が現状を楽観してよいかといえば、必ずしもそうとは言えない。特に今後「アドブロック」が、非常に大きな存在になってくるはずだ。アドブロックとは、ブラウザーの機能拡張などを使って、ウェブサイト訪問時に広告をはじめとするユーザーが望まない項目が読み込まれるのを、意図的にブロックする行為のことだ。

 もう5カ月近く前の発表だが、米グーグルが2018年の早い段階で、Chromeブラウザにアドブロック機能を実装する計画があることを発表していた。これによってブロックされる広告も公開されている。

 オンライン広告の業界団体Internet Advertising Bureau(IAB)をはじめ、グーグルやフェイスブックなどが立ち上げた業界団体「The Coalition for Better Ads(より良い広告のための連合)」による、策定基準を満たしていないものが、ブロックされる広告に該当する。具体的な内容は、同団体がウェブサイトで公開している。

 こういった形でアドブロックがさらに普及すると、オンライン広告媒体が大きく収益を落とすことにつながりかねない。その一端が米OnAudience.com社が2017年10月に発表した調査結果からも読み取れる(編集部注:調査結果はメールアドレスの登録後に閲覧可能)。

 同調査によると、2017年にアドブロックによってオンライン広告媒体が失うであろう収益は、全世界で約420億ドル(約4兆7700億円)に上るという。2016年が約280億ドル(約3兆1800億円)であることを考えると、約1.5倍の増加となる。

 アドブロックが浸透しているのは欧州で、全ページ閲覧数のうち、アドブロックユーザーによるものが30〜40%を占めている。米国と日本はほぼ同じ状況であり、約26%である。

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