米国で最もデジタルディスラプション(digital disruption、デジタルによってビジネスモデルや提供価値が大きく変化する現象)が起こっている業界は、流通小売業界だといわれている。消費者の日常生活にデジタルが急速かつ深く入り込んだ中で、大きく変化する購買行動に対応しながら、自らを変革させることを常に求められているからだ。

 こうした中、米流通小売業界でデジタルディスラプションを起こす企業とそうでない企業の違いについてまとめた調査結果が、2018年1月末に公開された。米Retail Systems Researchが米国企業約100社に対して実施した調査に基づいている(編集部注:調査結果は個人情報の登録後に閲覧可能)。

 調査結果によると、「デジタルディスラプションは、企業規模の大小とは全く関係なく起こる」とされている。ただしデジタルディスラプションを生み出す企業のほとんどは、ビジネスの遂行にあたって三つのポイントを重要視しているという点で共通しているという。具体的に言えば「良い製品(サービス)を作る」、「(顧客のニーズに)最速で対応する」、「良い顧客体験を提供する」だ。

 特にデジタルディスラプションを起こす企業とそうではない企業の差は、デジタルの使い方に顕著に表れている。デジタルディスラプションを起こす企業は、「良い顧客体験を提供する」という点でデジタルを積極的に使うことを考えている。

 例えば「店舗内でパーソナライズされたプッシュ通知を顧客のモバイル端末に送信する技術」を導入することを「考えていない」割合を見ると、“デジタルディスラプションを起こす企業”は9%しかないのに、“起こさない企業”は25%と高くなる。同様に「店員に対するスマートモバイルデバイスの配備」や「RFID導入」についても“起こさない企業”の導入意向は低く、“起こす企業”との間に大きなギャップが見てとれるという。

 では、“起こす企業”はなぜ、顧客体験の向上を強く意識するのか。それは、良い顧客体験が自らを他社と差異化する大きな要因になることを理解しているからだ。そして顧客が求める“良い顧客体験”が、どんどん高度なものになっていくことも認識している。

 つまり“起こす企業”とは、高度化し続ける顧客の要求に最新のデジタルの力を借りて、常に対応していく企業であるともいえるのだ。

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