「企業のマーケティング活動における動画活用は、今後ますます盛んになる」と言われるようになってから久しい。そして2018年は、その流れが本格的に加速するだろう。背景にあるのは、特に「Gen Z(1995年から2010年ころまでに生まれた世代)」を中心に、オンラインで動画を視聴する人口が増加してきたことだ。

 言い換えるなら、Gen Zが接触するメディアとしてオンライン動画を無視できなくなり、動画広告市場が急激に成長してきているということだ。それだけではなく動画による「ブランデッドコンテンツ」(後述)市場も大きく成長している。

 例えば1月30日に英Juniper Researchが発表した予測では、企業がYouTubeやFacebookなど、無料で視聴できる動画コンテンツに掲載している広告費は2022年に約370億ドル(約4兆750億円)に達するという。2017年が約160億ドル(約1兆7600億円)と推定しているので、5年で2.3倍に成長する計算だ。

 Gen Zの高い割合が、動画コンテンツをよく視聴するメディアとしてFacebookを挙げている。米Wibbitz社が1月31日に発表した調査によれば、米国のGen Zとその前の世代にあたるミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭に生まれた世代、「ジェネレーションY」とも呼ばれる)の40%以上が、Facebook上に公開された動画コンテンツをよく視聴すると回答している。

 動画広告市場の拡大は、オンライン上のプラットフォームに限った話ではない。OOH("Out of Home"の略で、屋外広告を指す)のデジタル化(OOHの前に"Digital"を表す"D"が入り「DOOH」と呼ばれる)も急速に進んでいる。米Digital Placed Advertising Association(DPAA)は、米国企業がDOOHに対して支払う広告費は、今年中にOOHの広告費全体の50%以上になると予測している。

 その一部は「運用型」という形で広告掲載枠を買い付けられる。ANA(全米広告主協会)のデータによると、現在DOOHを「運用」している企業は7%あるという。今後はこの数字も増加するだろう。

 「ブランデッドコンテンツ」などと呼ばれ、従来とは異なるフォーマットを持つ広告として制作、配信される動画の市場規模も拡大している。米Trusted Media Brands社が2018年1月に発表した調査によると、「今後1年でブランデッドコンテンツを動画で制作するために予算を増やす企業は35%に上る」という。

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