2016年9月、「インバウンドマーケティング」で知られる米HubSpot(ハブスポット)が東京オフィスを開設した。2006年の会社設立から10年、本格的な日本市場への参入に当たり、国内では初めての自社イベント「Grow with HubSpot Japan 2016」も開催した。

 同イベントに合わせて来日したHubSpot共同設立者兼CEOであり、書籍「インバウンドマーケティング」(すばる舎リンケージ刊)の共同著者であるブライアン・ハリガン氏と、HubSpot日本法人のGeneral Managerに就任した赤平百合氏に、インバウンドマーケティングのこれまでのほか同社のビジネス戦略、そして今後の日本でのビジネス展開などを聞いた。

(聞き手は松本 敏明=ITproマーケティング、
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)


HubSpot共同設立者兼CEOのブライアン・ハリガン氏
(撮影:都築雅人)
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 ハリガン氏にまず聞いたのは、同氏が提唱した「インバウンドマーケティング」がもたらした影響について。同氏は、どれほどの企業のマーケティング活動を変えられたと考えているのだろう。

 ハリガン氏は、「インバウンドマーケティング」と「デジタルマーケティング」が全く別物であるというところから話を始めた。「デジタルマーケティングとは、オフラインでやっていたマーケティング手法をそのままオンラインに持ってきたものを指す」という。世界でユーザーがオンラインに費やす時間が増えたため、デジタルマーケティングに振り向ける予算も増えたという。

 ただし現状でオンラインへの予算は十分とはいえない。米国の広告予算をオンラインとオフラインで分けると、2006年には5:95だったものが2016年に50:50となった。「これに対して、日本では2006年が3:97で2016年が25:75くらいではないかと推測する」(ハリガン氏)。

 従来のマーケティングでは、テレビやラジオ、新聞の広告スペース購入に多くの予算を費やしていた。しかし、ユーザーがこれらの広告に接する機会は減り、広告主はYouTubeやPodcast、ブログといったデジタルのスペースを購入することが増えた。ただし新しいメディアに予算を振り替えるだけなら、マーケティングの成否は予算の多寡に依存するだろう。

 ハリガン氏は「HubSpotが提唱するインバウンドマーケティングは、オンラインのマーケティング手法ではあるが、従来のデジタルマーケティングとは全く違う」と説明する。顧客と関係を築くために独自チャネルを作り、顧客を引き付けるためのコンテンツを提供し、顧客に自分から来てもらう(インバウンド)手法であり、顧客を呼び込む(アウトバウンド)手法とは全く違うという。

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