「プリンターの選び方を新しくしませんか」――。

 女優の米倉涼子さんを起用したテレビCMで知られるエプソン販売の「エプソンのスマートチャージ」。初期コストゼロでビジネス用のインクジェットプリンターを設置できる今までにないサービスだ。企業は、月々5000円からの定額料金を支払うだけでよい。

 単なるレンタルと違うのは、料金にはプリンター本体の使用料だけでなく、インクなどの消耗品代、故障した時の保守料金なども含まれる点にある。印刷に必要になるハードやソフト、サービスを「全部入り」の月額課金で販売する。

 プリンターメーカーのビジネスモデルはこれまで、典型的な「モノ売り」だった。継続的に使ってもらえれば消耗品が売れるため、本体を大幅に値引きすることも多かった。

 一方ソフトウエアの世界では、以前はパッケージを扱うモノ売りが主流だったが、ここ数年で従量課金のSaaS (ソフトウエア・アズ・ア・サービス)も急速に普及している。モノをサービス化して提供する「コト売り」が一般的になった。

 SaaSの考え方をハード販売に持ち込んだのが、2014年8月に開始したスマートチャージだ。狙いは、モノ売りでは取り込めなかった新しいプリンターの需要を喚起することにある。

 トナーを使ったカラー・ページ・プリンターは1台数十万円。導入は大企業が中心だった。スマートチャージなら、A3判カラー印刷が可能な複合機でも5年契約なら月々1万円で使える。トータルにかかるコストを比べると、約100万円も安く済む場合もある。

 ベンチャー企業や教育機関など、比較的規模が小さい組織にも大企業相当の性能のプリンターの導入を訴求できる利点がある。

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