本連載では、“IT担当者”が担うべき仕事を基礎的な内容から分かりやすく解説していきます。少人数でIT機器・サービス全般を見ていたり、情報システム部門と他部門を兼務していたり、ITインフラを構築あるいは運用するノウハウを十分お持ちでない方の参考として、また、「自分は運用に必要な知識は一通り持っている」という方の“仕事内容のおさらい”として使っていただければと思います。

 前回は無線LANと有線LANの違いについて説明しました。今回は使い分けを考える際のポイントを見ていきます。

 最初に基礎知識として、「無線LANのネットワークの構成」をおさらいしましょう。典型的な企業の無線LANネットワークの場合、PoE(Power over Ethernet)という規格に沿ったAP(アクセスポイント)とLANスイッチを使うのが一般的です。PoEは、1本のLANケーブルを介してデータの転送と給電ができます。そのため、PoEで電力供給を受けられるAPは、ケーブルさえ届けば近くにコンセントがなくても動作します。PoEスイッチよりも上流(サーバー方向あるいはインターネット方向)は、有線LANになります。

業務と通信量を整理することが大事

 本題に入りましょう。有線LANと無線LANの使い分けを考えるうえで一番のポイントになるのは、その企業の業務形態です。もう少し詳しく言うと、業務における通信量はどのくらいかということになります。これはネットワークの設計・構築をIT担当者が自ら行う場合もインテグレーターに依頼する場合も、きちんと整理する必要があります。

 「どことどこの通信か」も考慮した方がよいでしょう。サーバーのようなデータが集中しやすいところで無線LANを使ってしまうと、一極集中となるので速度不足に陥る可能性があります。また無線LANの電波状況は不安定になることがあるため、停止が許されないクリティカルなシステムや、リアルタイム性の高いシステムで使うと通信できなくなったときに多額の損失を出す恐れがあります。

 また、製造業等で大量のCADデータを扱ったり、デザイン業で大量の画像データを扱ったりする場合は、有線LANを選択すべきです。無線LANにすると、やり取りする大量のデータが帯域を圧迫してしまい快適に使えない可能性があります。

次ページ以降は日経 xTECH Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。