本連載では、“IT担当者”が担うべき仕事を基礎的な内容から分かりやすく解説していきます。少人数でIT機器・サービス全般を見ていたり、情報システム部門と他部門を兼務していたり、ITインフラを構築あるいは運用するノウハウを十分お持ちでない方の参考として、また、「自分は運用に必要な知識は一通り持っている」という方の“仕事内容のおさらい”として使っていただければと思います。

 社内で利用しているシステムやクラウドサービスは、ネットワークを前提として提供されるものです。安全なネットワークは、企業のITインフラに不可欠な要素といえます。そこで今回と次回の2回で、社内ネットワークの計画・設計と構築について説明します。

有線と無線の違いを理解する

 ネットワークの接続形態は、有線LANと無線LANに分けられます。10年くらい前までは有線LAN接続が大半でしたが、その後、無線LANの普及が進み、最近は無線LANをメインに利用するという企業も少なくありません。そこで、有線LANと無線LAN、それぞれの長所・短所を整理してみましょう。

 有線LANはデータを送るための物理的なケーブル(LANケーブル)を使いますので、通信が安定する点がメリットです。一方、デメリットは、「フロアのレイアウト変更に伴って配線の引き延ばしをしなくてはならない」など、手間やコストがかかるケースがあることです。

 これに対し、無線LANはLANケーブルで物理的に接続をするのではなく電波を使い通信するため、配線の煩わしさがなく、電波の届く範囲であればどこからでも使えるのがメリットです。一方、デメリットは、電波干渉などが起こると通信が不安定になる点です。

 また、通信速度にも差があります。有線LANの場合、現在多くのオフィスで使われているのは1Gbpsの規格(1000BASE-T)に対応したネットワーク機器です。大規模な企業ネットワークでは、中心部分で10Gbps(10GBASE-Tなど)の機器が使われることもあります。

次ページ以降は日経 xTECH Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。