本連載では、“IT担当者”が担うべき仕事を基礎的な内容から分かりやすく解説していきます。少人数でIT機器・サービス全般を見ていたり、情報システム部門と他部門を兼務していたり、ITインフラを構築あるいは運用するノウハウを十分お持ちでない方の参考として、また、「自分は運用に必要な知識は一通り持っている」という方の“仕事内容のおさらい”として使っていただければと思います。

 IoT(Internet of Things)というキーワードを見聞きする機会が増えてきたと思います。概しては「モノ同士が直接通信するシステム」なのですが、中小企業のITインフラからは、かけ離れた大がかりなシステムの話題に見えるかもしれません。しかしIoTは今後、日々の作業からビジネスモデルまで、さまざまな側面で企業に変化をもたらすと予想されています。中小企業も例外ではありません。そこで今回は、IoTの概要を押さえていきたいと思います。

なぜ今、IoTの注目度が高まってきたのか

 IoTは直訳すると「モノのインターネット」となりますが、ここでいう“モノ”はセンサーを持った機器、または人が装着しているセンサー付き機器だと考えてください。IoTは、こうしたセンサー付き機器からデータを収集してクラウド上で処理し可視化して、センサー付き機器、あるいは、人にフィードバックする仕組みです。

 いま挙げたIoTの構成要素は、だいぶ充実してきたと言えるでしょう。センサー付きの機器というと、人感センサーや温度センサーなどを思い浮かべるかもしれません。これも確かにセンサーですが、ほかにも人体に付けるウエアラブル端末、カメラやGPSなど、センサーとして使える機能を備えたスマートフォンなどもセンサーと考えることができます。つまりセンサー付きの機器は多数あり、私たちの身近なものとしても存在するのです。そして、なおかつセンサー自体のコストも下がってきており、センサー付きのモノを作ったり、センサーを後から設置したりすることが、しやすくなってきました。

 また、インターネットの普及に伴って、クラウドサービスの利用も一般的になってきました。多数の“モノ”から送られてきた大量のデータを処理するには、大掛かりなシステムが必要です。これは、クラウドサービスが得意とする領域です。クラウドサービスでは、大量のデータ処理が必要になったらリソースを増やし、処理が完了したらリソースを減らすということが簡単にできます。こうしてIoTを実現できる環境が整い始めたことに伴い、注目度も高くなってきたわけです。

次ページ以降は日経 xTECH Active会員(無料)の方のみお読みいただけます。