米アドビは現地時間の2019年3月26日、米ラスベガスで開催した「Adobe Summit 2019」の基調講演で、BtoB市場に向けた新たな戦略ビジョン「BtoE(Business to Everyone)」を打ち出した。アドビに2018年10月に買収された旧マルケトのマーケティングオートメーション(MA)を含むプラットフォームは「Marketo Engage」と名称を改め、BtoB企業向け機能の開発を継続する。

買収統合の目的はBtoBビジネスの拡大

 基調講演には元マルケトCEOのスティーブ・ルーカス氏が、アドビのデジタルエクスペリエンス事業部門担当 シニアバイスプレジデントとして基調講演に登場。「BtoBとBtoCの融合が始まっている」と話し、「BtoE(Business to Everyone)」と呼ぶコンセプトを提唱した。

米アドビ デジタルエクスペリエンス事業部門担当 シニアバイスプレジデント スティーブ・ルーカス氏
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 これは「全ての個人」との強固な関係構築(エンゲージ)を重視し、個人の体験を高める「Account-Based Experience(ABX)」の実現を図るというものだ。

 「アドビによる買収の意味は、BtoBビジネスの拡大にある」――。元マルケトでアドビ Customer Success担当バイスプレジデントとなったマット・ジリ氏は基調講演後の合同インタビューでこう話した。それまでアドビは、顧客体験(Customer Experience)を高める方針を前面に押し出し、施策はどちらかというとBtoC企業に重きを置いていた。Marketo Engageを加えたことで、アドビはBtoBビジネスを拡大する道筋をつけたわけだ。

 ルーカス氏が基調講演で「個人」を強調したのは、BtoB企業を中心に消費者や組織内の一人ひとりとのエンゲージを重視するマルケトの姿勢を継承したものといえる。ジリ氏は、「アドビが事業の柱に据えてきた『顧客体験』とマルケトが標榜してきた『顧客とのエンゲージ』を深く結びつけられれば、より大きな価値を顧客に提供できるはずだ」と話した。

具体化する新生アドビのBtoB戦略

 アドビによる買収を受け、これまでマルケトが進めてきた(1)BtoB企業向け製品の開発、(2)マルケトとアドビで重複しているMA、(3)マルケトが進めてきたパートナー戦略、(4)プラットフォームはどう変わるのか。ジリ氏に聞いた。

(1)BtoB企業向け機能の開発

 マルケトが進めてきたB2Bマーケター向け機能は今後も開発を継続する。ジリ氏は「組織規模が小さいマルケトでは、できることが限られていた」と振り返りながら、「B2B企業向けのソリューションをさらに充実させる」と話す。

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