企業がCRM(顧客関係管理システム)を効果的に使って、競合他社を上回る成果を出すには、今後の市場の動きを理解しておく必要がある。米ガートナーでCRM市場に詳しいオリーブ・ファン氏(バイスプレジデント, アナリスト)に、ベンダー選定の考え方や注意点、企業がこれから重視すべきポイントを聞いた。

(聞き手は松本 敏明=日経 xTECH Active、
記事構成は冨永 裕子=ITアナリスト)

米ガートナー バイス プレジデント, アナリストのオリーブ・ファン氏
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セールスフォースがリードするCRM市場

 ガートナーはCRM市場を、「顧客サービス/サポート」「営業」「マーケティング」「デジタルコマース」という四つのサブマーケットに分類している。2017年の世界CRM市場の規模は421億ドルで、対前年度成長率は15.5%だった。四つのサブマーケットの成長率に大きな差はなく、CRM市場全体が成長している。

 市場シェア18.8%の米セールスフォース・ドットコムを筆頭に、欧州SAP、米オラクル、米アドビ、米マイクロソフトを含む上位10社が約50%を占める。「5社は“メガベンダー”として複合的に機能を提供して、いずれも対前年度成長率2桁で成長している」とファン氏は指摘する。単機能に絞ったサービスを展開するベンダーも好調で、中には対前年度成長率が3桁で成長したところもあるという。

 ガートナーは世界CRM市場全体の今後5年間(2017~22年)の年平均成長率が13.5%で、今後も成長を続けると予測する。四つのサブマーケットはどれも対前年度成長率は10%台で成長するという。

 2017年の日本CRM市場規模は14億ドルだった。市場シェアの首位はセールスフォース(21.0%)であることは同じだが、日本でそれに続くのが世界では4位のアドビ(10.0%)で、世界では2位のSAP(5.0%)が5位となっている。

 アドビのシェアには、2018年に買収したマーケティングオートメーションを提供するマルケトとEコマースプラットフォームを提供するマジェント(Magento)を含んでいない。アドビのシェアが大きいのは、四つのサブマーケットのうち「マーケティング」の機能が幅広いからだ。

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