2015年にマーケティングオートメーション(MA)を導入し、同年にグループ外売り上げ比率を55%としたセイノー情報サービス。同社はどのようなマーケティング施策を打って新規顧客開拓を進めているのか。同社の取り組みを解説するシリーズの後編となる今回は、具体的なMAの活用について営業推進部と営業担当の現場の活動を追った。

コンタクトポイントでの情報獲得数とリード
コンタクトポイントの獲得数(棒グラフ)には一人の顧客を重複してカウントしている場合がある。獲得した顧客情報を整理してリード(折れ線グラフ)として蓄積しナーチャリングしている(出典:セイノー情報サービス資料)。
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 「2017年末に物流生産性向上セミナーを実施したら、あっという間に受講者が130人集まりました。お客様が興味を持つキーワードを使うことで、今まで私たちとは関係がほとんどなかったお客様の割合が高まりました」とセイノー情報サービス代表取締役社長の鳥居保徳氏は話す。

 このときはAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、RPA「RPA(Robotic Process Automation)」といった最先端のトピックに物流業務を絡めたセミナーを企画し、物流業務の改革に敏感な企業に訴えた。同社は年に60回程度開く自社セミナーなどで見込み顧客(リード)を集め、MAを使った育成(ナーチャリング)をしている。

 営業推進部ができた2011年に比べて、2017年はWebからの新規リード獲得件数が16.3倍に、展示会での名刺獲得件数が7.6倍に伸びたという。

5~10年かかる物流システムを売るためにMAが必要

 「物流システムは一般に、切り替えの期間が5~10年と長いものです」と同社営業推進部部長の西村太志氏は話す。西村氏は、以前ある顧客にシステムを提案し導入時期が合わず断念したが、その2年後に連絡したときは「もう他社と契約してしまった」 と返答された経験をしたという。「MAによって顧客との接触を絶やさず、状況を把握する必然性を強く感じました」(西村氏)。

セイノー情報サービス 営業推進部部長の西村太志氏
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 同社の新規顧客開拓の核になっているのは、年に数回ある展示会と自社Webサイトだ。特に展示会では2015年以降に顧客情報の獲得数が急増した。

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