パソコンの定型作業を自動化するRPAの使い道が広がりを見せ始めた。画像認識や自然言語処理といったAI(人工知能)と連携させるのがミソだ。RPAとAIの連携を支援する新機能やツールが相次いでいる。

 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「Kofax RPA(旧Kofax Kapow)」を手掛ける米コファックスの日本法人は2019年夏前をめどに、RPAツールで開発したソフトウエアのロボット(ソフトロボ)にAI技術の1つである自然言語処理機能を組み込めむ。

 これに先立ち英ブループリズムの日本法人は2018年11月、AI機能を提供する外部のクラウドサービスとソフトロボを連携しやすくするソフト部品などを提供するマーケットプレイス「Blue Prism Digital Exchange(DX)」を開設した。ソフトロボに画像認識や自然言語処理といったAI機能を簡単に組み込めるようにする狙いだ。

 同じく2018年11月には、ブレインパッドがRPAテクノロジーズと共同で、AIとRPAを連携させるサービス「RPA×AI導入支援パッケージプラン」の提供を始めた。

図 RPAのソフトロボとAIの連携例
自動化の範囲が広がる
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ネットの書き込みに即対応

 新たなRPAツールやサービスを活用するとAIと業務システムを手軽に連携できるようになる。ブループリズムのダン・ターネスCTO(最高技術責任者)は「業務システムとAIを連携させる手間が省けるので、浮かせたリソースをAIの学習や社内適用などに振り向けられる」と話す。

 例えばRPAに画像認識や自然言語処理といったAIを連携させると、人が画像を見たりテキストを読んだりして「意味」を認識しながら進めていた作業を効率化する効果を見込める。自動化できる作業がより広がるわけだ。

 「画像認識技術を使うと画像から商品の色を識別してデータとしてシステムに入力できる。自然言語処理技術を使えば、多数の文書の要約を自動作成し、その結果をRPAで1つのファイルにまとめられるようになる。マーケティング担当者はネットの商品レビューの内容を効率的に把握できるので、対応策を素早く検討できる」(ブレインパッドの山内康志RPAソリューショングループグループマネージャー)。

 冒頭で取り上げたコファックスが注力する連携機能は「センチメント分析」だ。「ネットの書き込み内容が肯定的なのか、否定的なのか」を自動的に判断する。否定的な内容だと判断した場合、クレーム対応部署にソフトロボが自動的に通知するなど、「内容に応じて適切な業務プロセスを自動的に進められる」とコファックスの河上勝セールスディレクターは説明する。

 これまでRPAと連携するAI技術といえばOCR(光学的文字認識)だった。AIとの新たな連携機能やサービスの登場により、自動化できる業務はさらに広がる。人手不足もあって働き方改革待ったなしの今、RPAツールの役割が一段と広がりそうだ。