業務システムに蓄積したデータを利用して、業務プロセスや処理にかかった時間などを可視化する「プロセスマイニング」を使ったコンサルティングサービスが登場した。

 プロセスマイニングは、ERP(統合基幹業務システム)や業務システムに蓄積したトランザクションデータや変更履歴などのログを利用して、業務プロセスや各プロセスの処理にかかった時間を可視化・分析し、業務改革などに生かす手法だ。

 コンサルティング会社のプロティビティやアビームコンサルティングが、2019年1月までにプロセスマイニングを利用したサービスの提供を始めた。

 両社が利用するのは、ドイツに本社を置くセロニス(Celonis)のプロセスマイニングツール「Celonis」だ。「プロセスマイニングが普及し始めている欧米では複数のツールが登場しているが、Celonisはシェアが最も高いツールだ」とアビームコンサルティングの大村泰久執行役員は説明する。

 欧州SAPのERPパッケージを利用している業務プロセスを可視化したい場合、ERPに蓄積したトランザクションデータやログをCelonisに投入する。Celonisは、主要なパッケージソフトのデータベースのテーブル構造や業務プロセスの標準構成をテンプレートとして用意している。ERPのデータを投入すると自動的に、業務プロセスそのものや各業務の処理にかかった時間などを可視化できる(図1)。

図1●プロセスマイニングの概要
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 Celonisは、SAPや米オラクル(Oracle)などのERPや、米セールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)のSFA(営業支援)などの代表的な製品・サービス向けのテンプレートを持つ。

 「パッケージにアドオン(追加開発)している場合や、自社開発のサブシステムを利用している場合も、Celonisの設定を調整することで対応できる」(アビームコンサルティングの小川雄輝シニアマネージャー)という。導入期間は平均で3~4カ月程度を見込む。

改革効果を数値で明らかに

 プロセスマイニングの最大のメリットは、「これまでヒアリングなどの方法で担当者の経験に基づいて行っていた業務プロセスの可視化や分析を、データに基づいて定量的に実行できる点だ」(小川シニアマネージャー)。

 経理担当者が「A部門は経費処理にかかる時間が他の部門より長い気がする」と感じていた業務をプロセスマイニングで分析すると、「A部門の部門長は、他の部門と比較して処理に3倍の時間がかかっている」と隠れていた原因が丸裸になる。

 業務改革の効果も数値で分析できるようになるため、「業務改革を主導する部門や、新たに基幹系システムの導入を検討している企業などでまず、プロセスマイニングの採用が進むのではないか」と小川シニアマネージャーはみる。

 2019年は、プロセスマイニングを取り入れた科学的な業務改革の元年になりそうだ。