Linuxを主軸とするOSS(オープンソースソフトウエア)ベンダーの独SUSE(スーゼ)が2019年初頭にも独立会社となる。老舗ベンダーの同社は2003年以来、子会社として活動していた。独立会社となるのは16年ぶりだ。

 SUSEはここまで数奇な運命をたどってきた。2003年に米ノベル(Novell)に買収された後に、2011年に米アタッチメイト・グループ(The Attachmate Group)がノベルを買収。2014年に英マイクロフォーカス(Micro Focus)とアタッチメイトが合併し、現在はマイクロフォーカスの子会社としてOSSビジネスを展開している。

 2018年7月に、マイクロフォーカスはスウェーデンの投資会社EQTパートナーズ(EQT Partners)にSUSEを25億米ドルで売却すると発表した。売却は2019年初頭に完了する見込みで、SUSEはそれ以降、独立会社となる。

 会社のオーナーは相次ぎ変わったが、ビジネスは好調だ。マイクロフォーカスの2018年度上半期(2017年11月~2018年4月)におけるSUSE関連の売上高は1億8300万ドルで、前年度同期より16.1%増えた。主軸のエンタープライズ向けサーバー製品「SUSE Linux Enterprise Server」に加えて、OSSを活用したIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)、CaaS(コンテナ・アズ・ア・サービス)、ソフトウエア・ディファインド・ストレージといったクラウド関連のラインアップを拡充している。ERP(統合基幹業務システム)ベンダーの欧州SAPとの関係も深い。

 独立企業となる影響やビジネスの状況について、SUSEのピーター・リース(Peter Lees)チーフテクノロジスト兼セールスエンジニアリングディレクターに尋ねた。同氏は日本を含むアジア太平洋地域における製品・テクノロジー普及の責任者を務める。

(聞き手は、田中 淳=日経 xTECH/日経コンピュータ)

独SUSEのピーター・リース チーフテクノロジスト兼セールスエンジニアリングディレクター
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16年ぶりに独立会社になる。

 当社は26年前の1992年に独ニュルンベルクで設立した最も古いLinux企業の1社だ。当初から、エンタープライズでの利用に耐える品質のLinuxを提供することを目的としていた。その後、会社のオーナーは変わったが、OSSを中心としたビジネスを展開し続けており、会社としても発展してきた。

 興味深いことにオーナーが変わっても、当社に長く残っている人が少なくない。15年あるいは20年いる社員も多い。

 現在はマイクロフォーカスの1グループだが EQTパートナーズの投資により、独立した企業になる。非常にエキサイティングだと感じている。

独立後も経営陣は変わらず

 独立後もCEO(最高経営責任者)のニルス・ブラウクマン(Nils Brauckmann)をはじめ、経営陣は変わらない。他の企業とM&A(合併・買収)するわけでなく、SUSEとして独立した形で切り出される。

 大切なのは顧客やパートナーにとっての安定性だ。この点で、経営陣が変わらないことは重要なポイントだと思う。合併よりも課題は少なく、チャンスの方が大きいと考えている。

 当社は同じリーダーシップの下でこれまでと同様、OSS技術にフォーカスしていく。とても良い方向に向かっている。

独立によって、どのような効果が得られるのか。

 実際のところ、マイクロフォーカスでは半分独立した形で(セミオートノマス)ビジネスを進めていた。この点では独立後も会社の方向は変わらない。マイクロフォーカスは我々にとって良いカストディアン(投資家に代わって有価証券の保管・管理を行う金融機関)のような役割を果たしてきたと思う。

 独立することで、SUSEのビジネスがより成長するチャンスが生まれると考えている。いま当社は約1400人の規模だが、250の役職がまだ埋まっていない状況だ。成長の余地が大きいことを分かってもらえると思う。これまでのポテンシャルを生かし、会社として次のステップに進むことができる。

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