かつてビッグデータの特性「3V(Volume、Velocity、Variety)」を定義した米ガートナーのダグラス・レイニー氏(リサーチ&アドバイザリ部門 バイス プレジデント 兼 最上級アナリスト)は近年、「インフォノミクス(Infonomics、Information Economicsの略で、『情報の経済性』を意味する)」を提唱している。米国では2017年に同タイトルの書籍を刊行した。6月のイベントで「データとアナリティクスの役割と組織の今」というタイトルで講演したレイニー氏に、企業のデータアナリティクス(分析)の現状とこれからを聞いた。

(聞き手は松本 敏明=日経 xTECH Active)


データ分析と活用について、企業の現状をどうみているか。

 多くの企業が、ある程度の高度な分析を試行錯誤し始めている。ただデータサイエンティストで構成された組織を持っていることは珍しく、全事業部で横断的なデータ活用ができているところはそれほどない。

米ガートナーのリサーチ&アドバイザリ部門 バイス プレジデント 兼 最上級アナリスト ダグラス・レイニー氏
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 企業でのデータ分析の成熟度合いを示すとき、私は下の図を使っている。ほとんどの企業は左下の「Descriptive Analytics/記述的分析(何が起こったか)」の段階にあると考えている。

アナリティクスの連続性
(出典:ガートナー)
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 その先にあるのが高度な分析といえるもので、「Diagnostic Analytics/診断的分析(なぜ起こったか)」、「Predictive Analytics/予測分析(何が起こるか)」、「Prescriptive Analytics/処方的分析(何を起こせるか)」と高度化しつつ、価値も高まっていく。ただし複雑さも増すため、一つの企業でも組織やチームによって分析のレベルにばらつきが出る。

 処方的分析をするためには機械学習やAI(人工知能)が必要となる。まだここに着手していない組織があっても驚くには値しない。

 分析の高度化は、企業の投資の割合に応じて変わってくる。記述的分析を中心としている企業は、ほかの分析に投資ができていないよう感じる。

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