システムを長期間運用する現場において、避けて通れない作業がデータ移行だ。一方で、データ移行作業の重要性は認識しつつ、「面倒くさい」とか「できればほかの人に任せたい」と思っている人がほとんどだろう。今回はその「悩ましい」データ移行について、考え方や手法について整理し紹介する。

データ移行の悩みとチャレンジ

 はじめに、なぜデータ移行作業が「悩ましい」のか整理してみよう。悩ましさは課題(チャレンジ)の裏返しのはずである。実はデータ移行のチャレンジの多くは、プランニングや調整など純粋なテクノロジーとは異なるところに存在する。より具体的にイメージできるように、以降は事例をベースに話を進めていく。

 従業員約500人のシステムインテグレータのIT部門に所属する入社5年目のAさんは、サーバーやストレージといったITインフラの運用管理を任されている。ここ数年、会社全体のビジネスは堅調で、従業員もこの2年で100名あまり増えており、特にファイルサーバーやメールサーバーのデータ量の伸びが著しい。

 こうした状況のなかIT部門長と役員が、あるベンダーからのストレージ更改の提案をコスト面で効果が高いと判断。受け入れを決定した。Aさんはこの更改プロジェクトの全体プラン作成を上司より指示され、その責任の重さにプレッシャーを感じつつも意欲を持って作業を開始した。

 更改対象のストレージの構成概要及び利用状況は、以下の通りである。

・N社製ユニファイドストレージで導入から3年が経過
・ERPアプリケーションおよび従業員向けファイルサーバー、メールサーバーのストレージとして利用

 プラン検討・作成に先立ち、Aさんはこれまでの自身の運用経験やアプリケーション担当者から得た情報を整理した(図1)。

図1 データ移行事例の構成概要と背景情報
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 経験のある読者であれば、この状況下のAさんの悩みは少なからず理解できるだろう。Aさんが感じたチャレンジは、大きく以下の3つだった

・システムやアプリケーションによってデータ移行の要件はさまざま
・データ移行に伴うサービス停止時間の確保が難しい
・データ消失なく移行する、決められた時間内に移行作業を終える

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