日経クラウドファースト編集長 中山秀夫

 Amazon Web Services(AWS)をはじめとするクラウドサービスのユーザー企業に2回目、3回目の取材に行くと、前回の取材時より仮想マシンが大幅に増えていて驚かされることがある。大規模ユーザーでは、100台を超える仮想マシンを稼働させているケースも珍しくない。既存システムを段階的にオンプレミス(自社所有)環境から移行したり、新規システムを構築したり、開発環境・テスト環境を拡張したりしているからだ。

 システムによっては高い可用性が求められ、仮想マシンを運用する負担は増えるばかり。これが現場の悩みの種になる。

 仮想マシンで稼働させているWebサーバーやデータベースなどをPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)に置き換える「サーバーレス化」に取り組むケースが増えているが、機能や性能の不足、ライセンス費用の増加が発生することがあり、現状ではややハードルが高い。コストを抑えつつ、運用の負担を減らすにはどうすればいいか。

 主要なクラウドサービスでは、運用保守を効率化する機能をいくつも提供している。その一つに、仮想マシンを自動復旧させる機能がある。AWSでは、リソース監視サービス「Amazon CloudWatch」、仮想マシンの負荷に応じて台数を自動増減させるサービス「Auto Scaling」にそれぞれ自動復旧の機能が備わっている。どちらも無料あるいは安価に利用でき、仮想マシンに障害が発生したとき自動的に再起動させることができる。

 もちろん、仮想マシンで障害が発生したとき単純に再起動すれば対処できるシステムは限られる。Webサーバーやバッチ処理サーバーなど、重要なデータをメモリー上だけに持つことなく、必要に応じて処理を一からやり直せる「ステートレス」なシステムだけだ。

 それでも、自動復旧の機能はクラウドを使ううえで不可欠といえる。クラウドを使うと一般に運用の負担が増えるため、部分的にでも自動化の範囲を広げていく重要性は高い。自動復旧の機能は、運用の負担を減らす象徴的な存在だ。

 ただし実際には、多くの現場が自動復旧の機能を使いこなしているわけではない。せっかくの機能を使いこなせず、運用の負担増に頭を悩ませているケースも少なくない。Amazon CloudWatchを例に、具体的にどのような機能なのかを紹介しよう。

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