2017年の新語・流行語を決める「2017 ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)。受賞は逃したものの、「働き方改革」は30のノミネート語の1つに選ばれた。それほど耳にする機会が多かった言葉であり、働き方改革のかけ声をきっかけに定時退社やテレワークなどを実践する人も多かったはずだ。

 一方、これまでと同じ働き方のまま、単に働く時間を短くするだけでは生産性は下がる。2017年9月の第4次安倍内閣発足時、安倍首相が「生産性革命」という言葉をわざわざ使うほど、生産性向上は差し迫った課題として認識されている。

働き方改革の「ITの視点」を担う情報システム部

 働き方改革や生産性向上が課題として認識されていても、日々の業務の中で何らかの施策に踏み出すタイミングを図りかねている企業も多いだろう。そんな時、強力な動機となるのが引っ越しだ。2017年11月、東京都豊島区から東京都港区に本社機能を移転したセゾン情報システムズもそんな企業の1社だ。オフィス移転に伴って職場環境を一新。フリーアドレス制を導入し、固定電話を一部を除き一掃した。実は同社の働き方改革の取り組みは移転の約2年前から始まっていた。

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フリーアドレス制を採用したセゾン情報システムズの新オフィスのイメージ
出所:セゾン情報システムズ

 同社情報システム部の高橋秀治部長は、「(働き方改革には)人事制度、IT、会社の風土文化の3つの視点がある。ITの視点は我々情報システム部が解決していくミッションを背負っている」と話す。情報システム部にとって働き方改革のための仕組み作りは、コスト削減に寄与する「守り」の部分だけでなく、これまでとは異なる働き方の実現といった別の価値を生み出す「攻め」に相当する部分が大きい。高橋部長は「2年前の情報システム部の姿は運用・維持が96%、新しい取り組みが4%くらいだった」と振り返る。

左からセゾン情報システムズ 情報システム部の高橋秀治部長、同部の磯部顕矩氏、片平啓太氏
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 当時の情報システム部はコストセンター的な位置付けで、いわば社内で期待を失っている状態。企業でいえば赤字の状態だった。「まずはマイナスをプラスマイナスゼロに引き上げる活動をしようと決めたのが2年前だった」(高橋部長)。

 方針を決めた後、メールやスケジューラーを社外でも使えるようにしつつ、社内でBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)プロジェクトが立ち上がったのを契機に、情報システム部は利用部門の業務プロセス刷新に積極的に関わった。

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