「年齢とか役職は関係ありません。独断で各サブチームから技術力の高いメンバーを選び、横断の(選抜)チームを編成しました。あるサブチームから選抜したのは、入社3〜4年目。一番の若手でした」。

マイクロサービスの浸透を図るために編成した選抜チーム
キヤノンの資料を基に日経クラウドファーストが作成
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 新しいアプリケーション開発方針である「マイクロサービスアーキテクチャー」への取り組みについて、キヤノンに取材したとき、ある開発部隊を率いる八木田 隆氏(映像事務機事業本部 主席)からこう聞かされた。「相当な覚悟だな」と、思わず姿勢を正した。

 八木田氏らの開発部隊は、複合機の顧客向けネットサービスなどを担当する。「新機能がほしい」「使い勝手をよくしてほしい」と、顧客や社内の利用部門から改変要望が次々と寄せられるという。だが、従来は1年に3回ほどしかアプリケーションを更新できなかった。「ニーズに応えられない」。八木田氏らは改変頻度を「年に3回」から「週に数回」に増やすべく、開発体制を変革し始めた。

 週に数回の改変を可能にするには、一般に「継続的インテグレーション(CI)」と呼ばれる仕組みが欠かせない。CIの実現に向け、まずシステム基盤をオンプレミス(自社所有)環境からAmazon Web Services(AWS)に移した。さらに、各種ツールを使ってシステム運用の自動化を進めるとともに、アプリケーションを改変しやすくする新しい開発方針を取り入れた。それが、マイクロサービスアーキテクチャーである。

 CIを実現するには、マイクロサービスアーキテクチャーの導入が大きなカギとなるが、はっきり言って、難しい。かつてオブジェクト指向開発が提唱されたときに匹敵するぐらいの、考え方の大転換が必要だ。

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