総務省は9月16日、大臣名で「マイナンバーカードを活用した住民サービスの向上と地域活性化の検討について(依頼)」と題する文書を都道府県知事あてに発出した。同日の記者会見で高市総務大臣は、「早期かつ積極的な導入の検討を要請するもの」「通知を踏まえて、全市区町村で導入検討がなされることを、強く期待しています」と述べた。“お願い”の形をとってはいるものの促進に向けた強い意志を大臣自らが示したことで、市区町村側としては単なるお願いとしてやり過ごすのは難しいかもしれない。

 総務省が検討を依頼したのは、「住民票などのコンビニ交付」「マイキープラットフォームを活用した地域経済応援ポイント」「マイナポータルを活用した子育てワンストップサービス」の3つの住民向けサービス。いずれも住民に直接接する市区町村が提供主体となる。依頼文書は都道府県知事あてだが、事実上は市区町村長に向けられたメッセージだ。

 3つのサービスはマイナンバーカードを活用する点や、住民の利便性を向上させてマイナンバーカードの普及を促進する目的は共通しているが、もともとの経緯や実施スケジュールは異なる。

 コンビニ交付は、マイナンバーカードの前身である住民基本台帳カードの普及策の一環として2010年2月に始まった。2016年1月に交付が始まったマイナンバーカードの普及促進策としても引き続き推進する。2016年9月1日時点で250自治体がサービスを提供しており、対象人口は5014万人。総務省は2017年3月末までに370団体・7150万人に拡大すると見込んでいるが、開始から7年がたっても自治体数で2割強、対象人口でも56%にとどまることになる。

 マイキープラットフォームは、マイナンバーカードを公共施設の利用カードや地域商店街のポイントカードとしても使えるようにするシステム基盤であり、総務省は「自治体ポイント管理クラウド」と併せてシステム整備を進め、2017年7月から実証事業を始めることを計画している。クレジットカード・航空・携帯電話などの民間事業者のポイント/マイルを「地域経済応援ポイント」として地域商店街などでも利用できるようにすることで、政府の「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2016)」では「地域活性化」の方策として盛り込まれた。

 子育てワンストップサービスは、妊婦・乳幼児健診や予防接種などの育児関連サービスの検索や、保育所入所や児童手当などのオンライン申請を、マイナンバー制度の個人向けポータルサイトである「マイナポータル」から利用できるようにするもの。女性活躍推進の観点から2015年の「世界最先端IT国家創造宣言」で重点テーマとなり、2016年の「成長戦略(日本再興戦略2016)」でも推進が掲げられた。マイナポータルを所管する内閣官房は、マイナポータルの本格運用が始まる2017年7月にサービスを始められるよう、全自治体に対し検討を依頼している。

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