今年の夏休みは、リオデジャネイロ・オリンピックにずいぶん楽しませてもらった。テレビ前で選手の熱戦に釘付けになっただけでなく、頻繁にネットで試合のスケジュールや結果を確認する日々だった。今は、間近に迫ったパラリンピックの開幕を心待ちにしている。

 4年後の2020年には、この二つの大イベントが東京で開催される。世界中から観戦客が訪れるほか、多くの人がネットを通じて遠隔地から競技を楽しむ。国籍も年齢も異なる多様な人たちが、東京に関する情報をネット経由で取得することになる。

 これで、国内のWebアクセシビリティが変わるかもしれない。一ユーザーとしてオリンピック・パラリンピック関連サイトを見ながら、淡い期待を抱いている。

Webの情報にアクセスできない人がいる

 Webアクセシビリティとは、Webサイト上の情報へのアクセスのしやすさのこと。Webアクセシビリティへの配慮が欠けていると、必要な情報にアクセスできない人がいる。例えば画像のみで情報を提供している場合、視覚障害などのために画像の内容を判別できない人は、情報を取得できない。「代替テキスト」と呼ばれるテキスト情報を付与することで、音声読み上げソフトで読み上げられるようになる。

 マウスを使わなければ操作できないメニュー、音声のみでの情報提供など、ほかにも対応が不十分な例は多々ある。これらを解消しなければ、誰もがネット上の必要な情報にアクセスできる環境は作れない()。

図●Webサイトに求められる配慮の例
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 「必要性はずっといわれているのに、なかなか進まない」。ITproの特集「そのWebサイト、使えません」の取材を通して、この言葉を何度も耳にした。Webアクセシビリティに対する理解や取り組みが思うように広がらない国内の現状に、複数の識者がもどかしさをあらわにしていた。障害者や高齢者など多様なWeb利用者を想像する力の欠如が、対応を阻んでいるとの指摘が心に刺さった(関連記事:“想像力の欠如”がアクセシビリティを阻害する)。

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