「城崎温泉」といえば何を思い浮かべるだろうか。

 温泉街の中心を流れる川沿いの柳の風景は有名だ(写真1)。外湯巡りやカニのイメージも強い。志賀直哉の短編「城の崎にて」を思い浮かべる人もいるかもしれない。地方議員による政務活動費の詐欺事件でもこの地名がよく報道された。

 実は、この地は訪日外国人(インバウンド)の急増でも脚光を浴びている。直近4年で宿泊者数が実に30倍に伸びたという。温泉街では外国人向け無料公衆無線LAN(Wi-Fi)が完備。動画チャットによる通訳サービスの実証実験を行うなど、訪日外国人向けIT施策も目白押しである(関連記事:ケイオプ、城崎温泉でクラウドソーシング活用の翻訳サポートのトライアル)。

写真1●兵庫県豊岡市の城崎温泉街
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 筆者は「日経コンピュータ」2016年6月23日号で、「デジタル交通最前線」という特集記事を担当。米ウーバーテクノロジーズ(Uber)が日本では東京以外に初進出した記念イベントを取材するため、京都府京丹後市を訪れた(関連記事:Uberで過疎地タクシー再興、京丹後で自家用車有償輸送の出発式)。

 京丹後市に隣接し、城崎温泉を擁する兵庫県豊岡市にも足を伸ばし、市役所で観光戦略を聞いた。京丹後市の峰山駅から豊岡駅まで、京都丹後鉄道宮豊線で50分ほどの移動だった。

写真2●JR城崎温泉駅。特急「こうのとり」が新大阪駅まで走る
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 本来なら、同市郊外にある城崎温泉にも寄ってゆっくりしたかったところだが、このご時世である。日経コンピュータ記者の立場で平日に温泉地に行ったら、“カラ出張”を疑われるのではないかと躊躇した。今回は城崎温泉には行っておらず、温泉街と城崎温泉駅(写真2)の写真は筆者が以前、個人で旅行した時に撮ったものである。

 日本政府観光局(JNTO)の調べによれば、訪日外国人は2015年に過去最高の1973万7000人(前年比47.1%増)に達した。2016年は、熊本地震発生後も月次統計の二桁増が続いており、年間で2000万人を大きく超えるのは確実な情勢である。

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