『日経情報ストラテジー』は2017年6月末発行の2017年8月号を最後に休刊した。長くこの雑誌に関わってきた筆者にとっては悔しい思いでいっぱいだが、下を向いてばかりはいられない。最終号まで全力で駆け抜け、悔いなく幕を下ろしたいと考え直した。その意味で筆者にはどうしても、最終号の誌面に登場してほしい経営者がいた。アスクルの岩田彰一郎代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)だ。

アスクルの岩田彰一郎代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)
写真撮影:村田 和聡
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 1992年に創刊し、ひたすら企業事例を紹介してきた日経情報ストラテジーにとって、1993年に文具メーカーであるプラスの事業部の一つとしてサービスを開始したアスクル(1997年に独立)とは、設立当初から縁があった。インターネット通販の先駆けでもあったアスクルは貴重な取材先であり、日経情報ストラテジーにおける事例の登場回数でいえば、ダントツのトップだろう。

 筆者も編集部に在籍中、幾度となくアスクルを取材し、岩田社長にもそれこそ数え切れないほどインタビューしてきた。アスクル社員にも大勢会った。筆者個人にとってもアスクルは、小売業の変遷やネット通販の台頭、物流の進化を知るうえで、欠かせない存在になっていた。

約2週間燃え続けた物流センター

 そんなアスクルに大事件が起こる。2017年2月16日、BtoC事業「LOHACO(ロハコ)」の主力物流センターである「ASKUL Logi PARK 首都圏(ALP首都圏)」で火災が発生した。埼玉県三芳町にあるALP首都圏を、筆者は稼働直後の2013年に取材したことがある。アスクルが約200億円を投じて作った巨大な物流センターだ。

埼玉県三芳町にあるロハコの主力拠点だった物流センター「ASKUL Logi PARK 首都圏」の火災の様子
写真提供:アスクル
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 そのALP首都圏が炎に包まれ、何と2週間近くも燃え続けた。その様子は連日テレビや新聞で報じられたので、ご存じの読者も多いだろう。

 2月28日にようやく鎮火し、その後、岩田社長は3月9日に都内で記者会見を開いた。深々と頭を下げたうえで、2017年9月末に「ロハコの完全復活を目指す」と宣言してみせた。

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