「大好きなものを見つけなさい」――。あまりにも有名なスティーブ・ジョブズの言葉だ。

 ジョブズは2005年、スタンフォード大学の卒業式の祝辞で、卒業生たちにこう語りかけた。ジョブズは、大好きな仕事だったからこそ、創業したアップルの業績が悪化し、会社を追放されるといった困難に直面してもコンピュータの仕事を続けた。のちにアップルにCEO(最高経営責任者)として復帰し、その後のアップルの大復活を成し遂げた。ジョブズ自身の経験から出た「大好きなものを見つける」「大好きなものへの情熱に従う」というこの言葉は、成功の条件のように語られてきた。

 しかし、この“常識”とまったく逆の話をしたのが、ベン・ホロウィッツだ(写真)。ホロウィッツ氏はラウドクラウド、オプスウェアというベンチャーの共同創業者兼CEOとして活躍し、HPに1600億円以上で売却。起業家としても大成功を収めたのち、シリコンバレーでベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツを共同創業した。スカイプ、フェイスブック、ツイッターなどに投資し、設立から6年でトップクラスのベンチャーキャピタルにのし上がった最強の投資家だ。

 筆者は、ベン・ホロウィッツのブログ「Ben’s Blog」を数年前に読み始めてからファンになり、著書『HARD THINGS』(ハード・シングス)の編集も担当しており、ホロウィッツのスピーチをネット上で目にしたのだ。

写真●ベン・ホロウィッツ、アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者兼ゼネラル・パートナー
Photograph by Beowulf Sheehan
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