ビジネスの現場では、さまざまな資料を作る機会がある。報告書や提案書、会議の議事録に発表資料など、仕事の内容や状況によって形は変わるが、すべからく「ビジネス文書」であり「資料」だ。

 「資料なんて、そんなものにこだわる必要はない」「資料作りに時間を割くのはばからしい」――。その意見には、筆者も賛成だ。不必要に凝ったものを作る意味はない。要は中身が正しく伝わればいいのだ。PowerPointやExcel、Wordを駆使して凝った資料を作っても、中身がなければ話にならない。そもそも、資料を作っただけで仕事が終わるなんてことは、普通ない。

 ただ、それは「資料作りが不要」という話ではない。資料作りに過剰な時間をかけるのは無駄だけれど、かといって「伝わらない資料」を作ってしまっては、さらに時間の無駄だ。ましてや、その時間は自分のものだけではない。その資料を読む相手の時間も無駄に消費することになる。

体系化された「資料作成」という技術

 外資系コンサルティングファームに勤める吉澤準特氏は、「資料作成」のプロフェッショナルだ。プロフェッショナルが考える、資料作りとはどんなものか。ここでは、吉澤氏が確立した資料作りのメソッドの一端を紹介しよう。

 吉澤氏は資料作成の過程を「スケルトン」「ドラフト」「フィックス」という3段階に分けている。スケルトンは資料のコンテンツを「目次レベル」+「概要説明レベル」で作成したもの。ドラフトは、作成したスケルトンに沿って肉付けし、一通り作成した資料のこと。図表はラフなものでよいが、最終的な形をイメージできるところまでは作り込む。最後のフィックスは第三者に見せられる品質に仕上げた完成形だ。

 その上で、各段階で「レビュー」を実施する(図1)。例えば、顧客に見せるための資料作りを、課長に頼まれたとする。その場合、資料を見せる顧客が最終ターゲットとなる。ターゲットである顧客を想定して資料を作り、資料作成の依頼者である課長にその資料を見てもらうのだ。スケルトンが出来たら、そこでレビュー。ドラフト、フィックスの段階でも同様だ。

図1●資料作成の過程を「スケルトン」「ドラフト」「フィックス」という3段階に分け、それぞれの段階で作成した資料のレビューを行う
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