なんだかここ最近、友人と話をしていると、「MSQRD(マスカレード)」という米国発スマートフォン向けアプリの名前がやたらと話題に上る。

 それもそのはず。昨年12月にリリースされて以来、世界各国のアプリヒットチャートを一気に駆け上り、2月には米国のAppStore無料アプリでナンバーワンに輝いた。3月にはネット業界の巨人である米フェイスブックが買収し、傘下に収めたことでも話題を呼んだ。要は、旬なアプリなのである。

顔認識機能とAR技術を絶妙にブレンド

画面●自撮り写真でさまざまな人物や動物などに変身できるアプリ「MSQRD(マスカレード)」
提供:グーグル(アプリ配信サイト「GooglePlay」から)
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 人気の秘密は、多くの人が心の中に秘めているであろう「変身願望」を瞬時に叶えてくれる点にある。

 アプリを立ち上げるとカメラの自撮りモードになるのだが、画面の中に映る自分の顔がバットマンなどのキャラクター、犬や猿といった動物、タレントに早変わりするのだ。顔の輪郭や目、口の位置は個人差があるがきちんと踏まえてくれるし、顔を上下左右に振ると変身した姿のまま追随して動く。

 いくつか用意されているモードのうち、私のお気に入りは「スーパーマン」。口を開けると、画面の中の自分の両目が赤く光り出して、殺人光線のようなものが飛び出して周囲を攻撃しはじめる。あたかも自分がヒーローになって人類の敵に立ち向かっているかのような気分を味わえる。その様子を写真や動画として撮影しLINEやInstagramなどにその場で投稿もできる点も実に楽しい。

画面●アカデミー賞発表時には、主演男優賞を受賞した俳優のレオナルド・ディカプリオに変身できるモードも用意した
提供:アップル(アプリ配信サイト「AppStore」から)
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 同じように心を鷲づかみにされた人は少なくないようだ。先日知り合いと食事をした際には、隣の席で若者たちのグループがMSQRDと思われるアプリで大いに盛り上がっていた。次々と自撮りして変身した自分を見せ合い、そのたびに居酒屋に響き渡るほどの歓声が上がっていた。

 MSQRDという名前は、英語で「仮装」を意味するmasquerade(マスカレード)を略したもの。瞬時に誰か何かに変身してしまいたいという夢を、テクノロジーの力を借りて具現化したアプリにピッタリの名前である。

 これほどの人気を博した理由は、ずばりコンセプトの勝利といっていい。技術的に点検すると、MSQRDは驚くほど高度なことをやっているわけではにないようだ。核になるのはカメラの顔認識技術、そして3D(3次元)による拡張現実(AR)技術の2つ。どちらも個人向けから法人向けまで既に幅広く使われているものだ。

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