NTTは2017年10月31日、同社と台湾の中華電信 電信研究院(以下、中華電信研究院)が、データセンター間の光通信ネットワークにホワイトボックススイッチとオープンソースソフトウエア(以下、OSS)を適用する共同実験を開始すると発表した。

 ホワイトボックススイッチは、通信ソフトウエアを搭載しないハードウエアだけのスイッチを指す。ベアメタルスイッチとも呼ぶ。ユーザーがOSSなどのソフトウエアを使って自由にカスタマイズできる。米グーグルや米フェイスブックといった米国の巨大なサービス事業者が多用していることで知られる。

 従来のホワイトボックススイッチは、主にデータセンター内の通信のために使われていた。今回の実験は、データセンター間の光通信にまでホワイトボックススイッチの適用範囲を広げようとするものだ。

 現在のクラウドサービス事業者は、同じリージョン(地域)のデータセンターの間を数Tビット/秒の高速な光通信で結び、一つの仮想的なデータセンターとして運用するのが一般的だ。光通信の装置は、従来の大型の装置に代わってラックマウントできる1U~2U程度の小型の装置が主流になっている。そうした製品を、米インフェネラ、米シスコシステムズ、米シエナなどが提供している。この装置をホワイトボックススイッチとOSSで実現することで、ネットワーク運用を省力化/自動化するのが今回の実験の目的だ。

 OSSを利用することでオープンなAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を光通信装置に実装し、ソフトウエアによる自動運用の実現を目指す。SDNコントローラーやオーケストレーターといった外部のソフトウエアと連携して、開通作業や設定変更、統計情報の取得などを自動化する。また、従来は密接に結び付いていたハードウエアとソフトウエアを分離することで、データセンター間光通信という分野への参入障壁を下げて多くの事業者を巻き込むことを狙う。

運用自動化のイメージ
(出所:NTT)
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 NTTは、ホワイトボックス型光通信装置を制御するOSSの検討やコミュニティの拡大、ホワイトボックス型光通信装置を適用する際の機能要件の検討に取り組む。OSSとしては、同社が開発したSDNコントローラー「Ryu」やBGPルーティングソフトウエア「GoBGP」などを考えているという。スイッチのOSには「Open Network Linux」を予定している。

 中華電信研究院は、外部のソフトウエアとホワイトボックス型光通信装置の間で相互接続を行うAPIの検討や光通信のフィールド実験の検討・実施を担当する。