ダイキン工業と日立製作所は2017年9月26日、画像解析技術を使ったシステムをダイキンの滋賀製作所に2017年10月から導入すると発表した。熟練の技術者が空調機の部品を接合する工程を撮影したデータを解析し、生産性や品質などの指標と組み合わせて分析し、技能伝承に生かす。

 実証実験を経て2017年度中に本格運用する。分析結果は新人教育に役立て、10~15日かかっていた訓練期間を半減させる目標だ。

 「熟練の技術者が長年の経験で培ってきた技術をデジタル化して、効率よく新人に教えられるようにしたい」。ダイキンの米田裕二執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長はこう意気込む。

ダイキン工業の米田裕二執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長
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 画像解析システムで解析するのは部品接合方法の1つである「ろう付け」と呼ばれる工程。「ろう付けに失敗すると部品に穴が空いてしまい、製品を廃棄しなければいけない場合もある」(米田執行役員)。ろう付けの技術は熟練の技術者に「属人化している」(同)ため、教えるのが簡単ではなかった。

 導入するシステムの名称は「ろう付け技能訓練支援システム」。熟練技術者の手の動きや扱う工具の角度、接合に使う接着剤の温度といったデータを、カメラやセンサーなどで収集し、作業全般をモデル化する。このモデルを使って新人技術者に指導する。

 導入費用は非公開。ダイキンによればカメラやセンサーなどのハードウエアだけで数百万円になるという。

 ダイキンと日立はろう付け作業における標準的な作業基準を統一し、将来はダイキンの国内外の生産拠点に展開する計画。画像解析技術を使ったシステムをその他の工程に応用する展開も見据える。

 日立はダイキンが導入するシステムの一部をパッケージ化して、IoT(インターネット・オブ・シングズ)のソリューション製品群「Lumada」の1製品として展開する狙い。日立の森田和信産業・流通ビジネスユニットCLO(Chief Lumada Officer)産業製造ソリューション本部本部長は「ダイキンとの共創を通じて効果を実証し、拡販につなげていきたい」と話した。

日立製作所の森田和信CLO
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