シスコシステムズの日本法人は、2017年6月に発表したIoT(インターネット・オブ・シングス)向けのプラットフォーム製品「Cisco Kinetic」を日本で年内に提供を始めると発表した。2017年9月21日に開いたIoTに関する記者説明会で明らかにした。

 Cisco Kineticは、センサーやデバイスから継続的に送出されるIoTデータの流れを設計、管理するためのプラットフォームで、クラウドサービスとして提供する。これまで企業ごとに提供してきたシスコシステムズのIoTソリューションの成果物を基に開発し、6月の自社イベントで発表した。

 シスコシステムズは、同社が注力するIoTの適用分野について「スマートシティ、製造業、石油・ガス、運輸、流通の5分野で実績を積んでいる」(米シスコシステムズのブライアン・タンゼン インダストリープロダクトグループ ゼネラルマネージャー)と説明。Kineticの提供により導入企業はIoTネットワークの設計や運用管理が容易になるほか、サードパーティーの関連製品がパッケージ化されることでコストが安くなり、導入効果を上げやすくなるとした。

 日本法人の濱田善之 執行役員最高技術責任者(CTO)兼最高セキュリティ責任者は、日本での注力分野として、5分野のうち特にスマートシティと製造業にフォーカスしていると説明。実際に同社が参画する案件として、京都府が進めるスマートシティ実験をはじめ、ファナックやヤマザキマザックがそれぞれ進める産業用ロボットと工作機械のIoT化などの活動を挙げた。

 Kineticは、IoTデータを中央のクラウド側に全て集約するのでなく、まず中間層のルーターなどで一次処理してトラフィックやクラウドの負荷を軽減する「フォグコンピューティング」に向けたサービス。同社の産業用ルーターに対応ソフトウエアがダウンロードされ、クラウドと連携してデータの流入経路や処理方法などを、クラウド上の画面で設定・管理できる。説明会ではセンサーデバイスと同社の産業用ルーター、Kineticを組み合わせてデータを処理するデモも実演した。

センサーデバイスと産業用ルーター、Kineticを組み合わせたデモの様子
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 シスコシステムズは、IoTデバイスの通信モジュールに装着したSIMカードを管理するクラウドサービス「Cisco Jasper」も提供している。Kineticの開始に合わせて、IoTを少数のデバイスから試験導入するような企業に向けて、KineticとJasperをセットにしたスターターキットサービスも提供するという。