ソフトバンクグループの孫正義社長は2017年7月20日、同社の法人向けイベント「SoftBank World 2017」の基調講演で人間の知能を拡張する「情報革命」、IoT(インターネット・オブ・シングズ)やロボティクスなどについて語った。英アームや米ボストン・ダイナミクスなどのゲストも登壇した。

ソフトバンクの孫正義社長
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 「産業革命は世の中を根底から変えた。情報革命は人々が想像しなかった世界に我々を導く」と孫社長は語った。産業革命は人間の身体能力の拡張であったのに対し、情報革命はより重要な人間の頭脳、知能の拡張であるという。さらに情報革命の時代では医療、交通、農業などありとあらゆる産業が再定義されるとした。

 ソフトバンクが半導体設計大手のアームを傘下に入れたことについて孫社長は、「後の人々は『チップを制したものが全てを制す』と言うだろう」と述べた。「これまで競合他社とは人間が利用する回線数を競ってきたが、人間に限定すると世界中でも70億に過ぎない。ソフトバンクはモノとモノをつなぎ、1兆回線をつなぎたい」と意気込む。

英アームのサイモン・シガースCEO
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 ゲストとして登壇したアームのサイモン・シガースCEOは、「今まで25年かけて1000億個ものチップを出荷してきたが、まだ始まったばかりだ。次の1000億個は4年しかかからないと考えている」と話す。

 孫社長はロボティクス・人工知能(AI)についても言及し、「シンギュラリティは必ずやってくると私は信じている。30年くらいで来るだろう」とした。人間が作った囲碁や将棋のプログラムが人間より強くなったように、人間よりもコンピュータがはるかに賢くなるという時代が到来するという。加えて孫社長は同社のロボット「Pepper」は今後さらに進化すると主張。「スマホと従来の携帯電話は全く違ったように、スマートロボットと従来のロボットとは決定的に違う」とした。

4足歩行ロボットの「SpotMini」
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 ボストン・ダイナミクスのマーク・レイバートCEOは、4足歩行ロボットの「SpotMini」を披露。SpotMiniはステップを乗り越えたり、障害物をよけたりできる。周りの環境を地図として認識し、自律的に歩くことも可能だ。デモではカメラのついた「アーム」で飲み物の入った缶を認識し、レイバートCEOに手渡した。

「アーム」にはカメラが付いており缶を認識。人に手渡すことができる
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