「日本シーサート協議会の設立から10年。会員組織は、発足時の6組織から236組織まで増えた。増えるのはうれしいが、会員組織の『顔が見えない』という弊害が生じている」。各企業や組織のCSIRTの連携を目的とした組織である日本シーサート協議会(NCA)の寺田真敏運営委員長は2017年7月6日、NCAの現状について説明した。

日本シーサート協議会(NCA)の寺田真敏運営委員長
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 NCAは2007年3月、インターネットイニシアティブ(IIJ)、NTT、ソフトバンクBB、日立製作所、ラック、JPCERTコーディネーションセンターの6組織によって設立された。当初は参加する組織は少なかったが、2012年以降増え始め、2014年には50組織を突破。その後急増し、現在では236組織が参加する。

 NCAの主な目的の一つが、会員組織のCSIRT担当者が出会う場を提供すること。実際に会って話をすることで信頼関係を築き、何かあった場合に情報を交換できるようにする。このためNCAでは、CSIRT担当者が交流するための会合を定期的に開催している。

 だが、会員組織の数が増えたために、担当者ひとり一人の顔が見えにくくなったという。会場の確保も難しくなった。NCAは有志による任意団体であり、会費などを集めていない。すべてボランティアベース。会合の会場は、会員組織に無償で貸してもらっている。少人数のときは会議室程度で十分だったが、数百人規模となるとそうはいかない。

 そこでNCAでは、会員組織が一堂に会することのできるカンファレンスを2017年8月23日から25日まで開催する。カンファレンスは有料。8月23日と24日の両日は、NCA会員以外も参加できる。一般も参加できる有料イベントの開催はNCAにとって初の試み。

 そのほかの「顔が見える」取り組みとしては、関東や中部、関西、九州といった、それぞれの地域ごとでの活動の促進が挙げられる。地域ごとにタスクフォースを作り、CSIRT構築促進に関わるワークショップなどをそれぞれで企画・運営するよう促す。

 「タスクフォースの人数はある程度限られるので、何かあった場合に頼れる関係を、各組織のCSIRT担当者同士が構築しやすくなるだろう」(寺田運営委員長)。