SAPジャパンは2017年7月4日、公共業界向けのソリューション、サービスを提供する「公共統括本部」を7月1日付で設置したと発表した。所属メンバー数は15人。まずは中央官庁を中心にデジタルガバメントの推進というテーマで、同社の製品やサービスを売り込む。

 内田士郎代表取締役会長は「今までのSAPジャパンのビジネスは、製造業、サービス業といった民間セクターが基軸だった。グローバルでは公共業界がもう一つの柱になっている。日本も製造、サービス、公共の三本柱にしていきたい」と意気込む。売り上げ目標は非公表。

SAPジャパンの内田士郎代表取締役会長
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 今までSAPジャパンに公共担当の部門はなく、他部門との掛け持ちだった。公共業界は独立行政法人では実績があるが、官公庁では少ない。「巨大なシステムの部品としてSAP製品が使われる」(佐藤知成バイスプレジデント公共統括本部統括本部長)という程度だった。新組織では、SAP製品・サービスを全面活用したオープンデータの活用基盤システムや災害対策システムなどの提案を狙う。実績が少ない市場を切り崩すため、SAPジャパンは今までとは異なる営業手法を採る。

 軸となるのが、新しい物事を発想する方法論「デザインシンキング(デザイン思考)」だ。営業活動の一環として、デザインシンキングの専門家がファシリテーターとなるワークショップを無料で開催。官公庁や地方自治体の課題を発見する。そこから、提案や実証実験につなげたい考えだ。

 ドイツ本社やほかの海外支社と連携して、海外の政府や自治体の事例や知見を提供する。「実証済みの知見なので、ゼロから作るよりも低コストで迅速に提供できる」(佐藤知成バイスプレジデント公共統括本部統括本部長)と自信を見せる。