バッファローは2017年6月2日、データ復旧事業参入に関する説明会を開いた。データ復旧施設の一部を報道陣向けに公開。その席上で、同社が「自社製品の保証期間内であれば、軽度の論理障害は無償で復旧する」という価格破壊を仕掛ける理由を語った。

 同社は2017年5月1日にデータ復旧事業に参入し、同社のストレージ製品を対象に「保証期間内の軽度な論理障害であれば無償で修理」「容量によらずストレージの種別ごとの定額制」といった料金体系でデータ復旧サービスを始めた。あくまで復旧ツールで比較的容易に修正できる範囲だが、無償提供というのは異例だ。

「バッファロー正規データ復旧サービス」の料金表
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対象製品は同社のハードディスクやメモリーカード、NAS(Network Attached Storage)などのストレージ製品全般
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 メルコホールディングスの斉木邦明専務取締役は「データ復旧事業だけでもうけるつもりはなく、単体ではトントンでいい。無償のデータ復旧という付加価値でユーザーの信頼を得れば、ストレージ製品の市場シェアを高められる。シェア次第で部品メーカーに対する価格交渉力を強化できる」とデータ復旧事業への参入意図を話す。

メルコホールディングスの斉木邦明専務取締役
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 2017年3月に、メルコホールディングスがデータ復旧大手のアドバンスデザインを買収。事業会社であるバッファローの技術者8人をアドバンスデザインに派遣し、復旧技術やノウハウを吸収させてから東京・名古屋・大阪の3拠点に配した。各拠点ではWebや電話による申し込みだけでなく、故障製品の持ち込みも受け付ける。HDDのヘッド交換などが必要な物理障害の復旧作業はクリーンルームのあるアドバンスデザインの施設で対応する。

バッファロー東京支社内の復旧施設。Webや電話による申し込みだけでなく、故障製品の持ち込みも受け付ける
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 対象製品はバッファローが国内で販売するストレージ製品。同社の光学ドライブで書き込んだ光メディアも対象とする。2017年5月以前に購入した製品であっても保証期間内であれば無償対応の対象とする。他社製品への対応については「今後検討する」(メルコホールディングスの斉木専務取締役)。アドバンスデザインはバッファローが完全子会社だが独立系の企業としてデータ復旧事業を続けるという。

 今後は復旧拠点を現在の3拠点から7拠点に増やし、バッファローの事業拠点全てに開設する。ストレージの故障予測や情報漏洩対策の廃棄サービスなど、購入から廃棄までを一貫して請け負う体制を整える。「ゆりかご(購入)から墓場(廃棄)まで、のどこかで利益が出ればいい」(同)という考えだ。