セキュリティ技術を提供するBlue Planet-works(旧名、Keep Tree)は2017年4月18日、ANAホールディングスや電通などの国内企業8社から合計55億円を資金調達したと発表した。Blue Planet-worksは調達資金を使い、さまざまなマルウエアからシステムを保護できるセキュリティ技術を米国企業から買収し、広く提供する。日本市場では2017年6月より出荷を開始し、2018年からはIoT(インターネット・オブ・シングズ)機器向けにも製品を展開する予定だ。

 Blue Planet-worksに出資するのは、ANAホールディングス、第一生命保険、損保ジャパン日本興亜、電通、電通国際情報サービス、大興電子通信、PCIホールディングスと国内ベンチャーキャピタルの計8社。Blue Planet-worksへ出資することで、同社の提供するセキュリティ技術を優先的に利用できるようになる。航空機や自動車など高度なセキュリティ技術が求められる業界でサービスを展開する。

 Blue Planet-worksは、米ブルーリッジネットワークスのセキュリティ事業を買収する。ブルーリッジネットワークスのセキュリティ技術「AppGuard」は、米国の政府機関などで採用実績があり、アメリカ陸軍の NETCOM (The U.S. Army Network Enterprise Technology Command)から認証を受けるなど高いセキュリティ性能を有する。未知のマルウエアやゼロデイ攻撃、標的型攻撃など各種のサイバー攻撃からシステムを守れる。

 AppGuardはシステムのアプリケーションが起動した段階で動作(プロセス)を隔離して、アプリの動作を監視するもの。あらかじめ限定した動作範囲(ポリシー)を超えてアプリが不正な動作をしたときに「異常」と判定し、動作を止める。プロセスメモリーへの不正なアクセスや書き込み、OSへの攻撃を未然に防げるという。ソフトウエアの更新が不要で、インターネットとの接続がなくても動作できる。アプリから派生したプロセスも自動で制限できるため、安全性を担保できる。

Blue Planet-worksが提供を開始するセキュリティ技術「AppGuard」の仕組み
(出所:Blue Planet-works)
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 ブルーリッジネットワークスのセキュリティ事業買収では、Blue Planet-worksが46億7000万円の資金と、22億円分の株式を譲渡する。

 AppGuardの容量は1メガバイト以下と小さいため、PCやサーバー以外にもコンピュータ性能の限られる自動車、IoT、スマートフォンなどへ実装できる。対応するOSはWindowsのほかにAndroidやLinux、組み込み用のリアルタイムOSを想定している。

 現在、Blue Planet-worksは端末やIoT機器のほかに、サーバーを保護するセキュリティ技術「ServerGuard」も開発している。

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当初、一部の文章が二重に表示されていました。本文は修正済みです。 [2017/04/18 17:30]