Airbnb Japanは2017年2月21日、政府が今国会に提出予定の住宅宿泊事業法(仮称、以下「民泊新法」)を見据えた同社の方針を説明した。年間の宿泊数を制限するシステムや物件の貸し手(ホスト)の自治体への届け出仲介など、新法に基づく民泊運営や自治体業務を支援する施策をアピールした。新法の施行に当たっては、「シンプルで公平なルール作りを望む」と訴えた。

Airbnb Japanの山本美香公共政策担当部長は「政府にはすべてのプラットフォームを等しく扱ってほしい」と訴えた
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 「少しでも早く法案が通ることと、私達も参加できるルールであることを希望する。ルールがクリアになることで、これまで民泊に参加することをためらっていた人が参入するなど、より面白いことができるようになるのではないかと期待している」。Airbnb Japanの山本美香公共政策担当部長は、民泊新法に対する期待をこう語った。

 民泊新法は、Airbnbなどが提供するサービスである、個人が所有する住宅を個人に貸し出す民泊を念頭に置いた法律。Airbnbのような仲介事業者や、住宅の貸し手(ホスト)と借り手(ゲスト)の位置付け、法律上の義務などを明文化する。3月に開催予定の次期通常国会に提出され、早ければ5月にも可決される見通しだ。

 山本部長は新法が施行された場合に同社が提供できるシステムや支援策として、(1)自治体への匿名化データの提供、(2)宿泊数制限の管理システム、(3)ホスト登録のパススルー制度、(4)宿泊税の回収・代理納付を挙げた。

 匿名化データとは、自治体内で民泊を営むホストの事業運営データを、本人を特定できない状態に同社が加工したデータのこと。ホストの収入額やゲストの宿泊数、ゲストの人数といったものだ。「自治体は旅館やアパートの平均家賃額と比べることで、民泊事業者の実態を理解する目安にできる」(山本部長)。

 宿泊数制限の管理システムは、国や自治体が定める宿泊数の上限を同社のシステムに設定しておき、上限を超えた物件については同社サイトに掲載しないようにするもの。既にオランダのアムステルダムで、上限を60日として同システムを運用しているという。政府は民泊新法で、年間の宿泊日数を180日と定める方針だ。

 パススルー制度は民泊新法でホストが届け出制になる可能性を見越した施策だ。ホストはAirbnbのサイトに登録手続きに必要な情報を入力し、Airbnbがその情報を一括して自治体に渡す。「登録するのは必要最低限の個人情報。当社は中身に関知せず、情報をそのまま自治体に提供する」(山本部長)。