Linux技術者認定試験の普及と、ITプロフェッショナルの育成を目的とした非営利企業「エルピーアイジャパン」(LPI-Japan)は2016年12月6日、クラウドコンピューティング基盤構築ツール「OpenStack」を活用したビジネスの拡大支援の一環として、「OPCEL ビジネスサミット 2016 ~新たなビジネスを切り開くOpenStack~」と題するセミナーイベントを開催した。LPI-Japanでは、1年以上前からOpenStack技術者の認定試験「OPCEL」を実施している。セミナー当日の来場者は160名以上と盛況だった。

小規模からも始められる

写真1●LPI-Japanの和田 真輝氏
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 最初にLPI-Japanの和田 真輝氏(テクノロジー・ディレクター、写真1)が登壇。同氏は「一般的なクラウドコンピューティングは大規模なシステムというイメージがあるが、その中では中小規模のシステムが動いている。目的に合わせて切り出せば、小規模なシステムから始めることが可能だ」と述べた。

 また、OpenStackを導入する利点として「Scalability」(拡張性)、「Cost」(コスト)、「Secrecy」(機密性)の三つを挙げた。特定のLinuxディストリビューションやベンダーに依存しないこともOpenStackの優位性であると述べた。最後にOPCEL、仮想化や可用性に関するLinux技術者認定試験「LPIC 304」を紹介した。

NTTグループ内で幅広く活用

写真2●NTTの水野 伸太郎氏
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 2人目の講演者であるNTTの水野 伸太郎氏(NTTソフトウェアイノベーションセンタ 第三推進プロジェクト 主幹研究員、写真2)は、OpenStackの概要、スペイン・バルセロナで開催されたカンファレンス「OpenStack Summit」の内容、NTTグループの取り組み、日本OpenStackユーザ会の活動内容について語った。同氏は、日本OpenStackユーザ会の会長を務める。

 NTTグループ内企業それぞれでOpenStackが導入されていること、研究所の中でも開発者向けクラウドとして稼働していることを紹介。パブリッククラウドサービス「Enterprise Cloud2.0」やポータルサイト「Goo」などの基盤として利用されているという。グループ全体でOpenStackを導入する方針があったわけではなく、各社で検討した結果としてOpenStackが採用されたとのことだ。  また、研究所を中心にコミュニティー活動を実施し、コミュニティーに対してパッチの提供などを行っていると述べた。最後に、日本OpenStackユーザ会への参加を呼びかけた。

小規模なら運用のアウトソースが有効

写真3●ビットアイル・エクイニクスの長谷川 章博氏
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 3人目の講演者であるビットアイル・エクイニクスの長谷川 章博氏(ビットアイル総合研究所 所長、写真3)は、OpenStackの必要性、OpenStack上で提供するサービス(アプリ)の開発手法、OpenStackの運用ノウハウについて語った。

 同氏によると「OpenStackの導入は意外と簡単になってきているが、コントローラーの運用が難しい。コントローラーをいかに効率良く運用できるのかがビジネス成功の鍵となる」と述べた。「小規模システムでOpenStackを使い始めるなら、運用部分をアウトソーシングすることも有効」とビジネス成功のヒントを示した。

 サービスの開発に関しては、従来のウォータフォール型ではなくユーザーが参加して開発のサイクルを素早く回すことが重要であると語った。

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