「デジタル変革は”人”が主役だ」。こう話すのはアクセンチュアで執行役員デジタルコンサルティング本部統括本部長を勤める立花良範氏だ。2016年11月24日、東京・目黒のウェスティンホテル東京で開催した「第2回イノベーターズサミット」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)に登壇した。

アクセンチュアで執行役員デジタルコンサルティング本部統括本部長を勤める立花良範氏
(撮影:井上 裕康)
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 立花氏は三つの”人”を中心にデジタル変革に取り組むべきだと話す。三つの人とは、従業員、パートナー、顧客のことだ。

 従業員を中心としたデジタル変革では、人工知能(AI)やロボット技術の発達が働き方を変える。立花氏は「コンピュータと人間の関係が変わる」と話す。例えばAIは、音声認識や画像解析など特定の用途では実用的な水準に達しているが、「人間のような思考、判断、認識はできていない」(同)。例えば無人化した工場では、従業員は工場で動くシステムのオペレーターになるといった働き方の変革が必要だという。

 人材の考え方も変革が必要だとした。新しい技術が競争力となることから、従業員の育て方が変わるという。「新入社員は新しい技術を身に付けることが必要になる。研修、トレーニング、リスキルといった取り組みが企業の競争力の源になる」(立花氏)。

 パートナーを中心にしたデジタル変革に必要なことを、立花氏は「プラットフォームビジネスの動向に注目すること」と説明する。同氏はプラットフォームビジネスを「魅力的なサービスを次々と提供し、人が集まる場を作ってから、そこで新しいビジネスを展開するモデル」とする。例えば、乗用車の共同利用というプラットフォームを作った米ウーバーテクノロジーズは「予防接種をする看護師を運ぶサービスを始め、医療界のプラットフォームになりつつある」(立花氏)。

 プラットフォームビジネスとの関わり方を考え、市場の変化に適応することが必要だという。立花氏は「自らプラットフォームの提供者になるのか、パートナーとして協力するのか、利用者になるのかを考える」ことが欠かせないと話した。

 立花氏は「あらゆるデータが可視化されるからこそ、セキュリティとプライバシーが大切だ」と、顧客を中心にしたデジタル変革を説明。顧客への信頼を守る取り組みが一層重要になるとした。