データウエアハウス(DWH)大手の日本テラデータは2016年11月24日、ビッグデータ分析環境の導入・活用を進める企業を支援するコンサルティングサービス「Think Big Velocity」の提供を始めると発表した。

日本テラデータの吉川幸彦代表取締役社長(左)と、米シンク・ビッグのリック・ファネル共同創設者兼プレジデント
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 DWHなどデータ分析関連の製品販売を事業の軸に据えてきた日本テラデータは、2016年に入ってデータ分析を対象にしたコンサルティングサービスを強化している。2016年5月には、データ分析コンサルティングサービス「Rapid Analytic Consulting Engagement(RACE)」の提供を開始した。

 RACEの提供範囲は、顧客企業が持つデータなどを基に、分析プランを作成したり分析モデルを構築したりすることまでだった。今回提供するThink Big Velocityでは、顧客企業のビジネス形態やビジネス戦略を踏まえたビッグデータの活用方法の策定から、分析基盤や分析アプリケーションの設計・開発・運用まで、コンサルティングの対象を拡大させる。

 さらに、分析基盤の構築では、DWHなどの自社製品にとどまらず、並列分散処理ミドルウエアのApache Hadoopや、インメモリー型の分散処理ソフトのApache Spark、大規模データをSQLで高速に処理できるようにするPrestoなどオープンソースソフト(OSS)を積極的に採用できるようにする。

 日本テラデータの吉川幸彦代表取締役社長は「今回のサービスでは、DWHを中心とした従来の分析基盤に、新しい分析技術としてのOSSを迅速に取り込める。顧客企業は、ビジネスにマッチしたビッグデータ分析環境を、早期に現場へ適用できる」と、説明する。

 新サービスは、米テラデータの子会社で、OSSに特化したビッグデータ分析コンサルティングサービスを手掛ける米シンク・ビッグの日本事業部門が提供。日本テラデータがそれを提案・販売する。シンク・ビッグは2010年に設立して以降、米コカ・コーラやデンマークのレゴなど、海外の大手企業を対象に、OSSを使ったビッグデータ分析基盤の導入や活用を支援してきた。

 新サービスでは、シンク・ビッグが独自開発したソフトウエアフレームワークを使って、OSSを複数組み合わせたビッグデータ分析基盤を短期開発できるようにする。さらに、ビッグデータ戦略の策定や、分析基盤の導入・活用などに関する独自の方法論を使って、顧客企業におけるビッグデータ分析推進プロジェクトを支援していく。

 「Think Big Velocityを適用することで、推進プロジェクトは従来の2倍から3倍のスピードで進めることができる。最終的には、顧客企業がビッグデータをビジネスに適用することでイノベーションを起こせるよう、支援していく」と、同社のリック・ファネル共同創設者兼プレジデントは説明する。

「アナリティクスオプスの適用が、企業内でのビッグデータ分析の普及につながる」と話すシンク・ビッグのファネル共同創設者兼プレジデント
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 ファネル氏によると、Think Big Velocityをすでに適用している顧客企業では、ビッグデータを活用して、製品の故障予測や、見込み客の発掘などができるようになっているという。

 その1社がハードディスク(HDD)ベンダーの米HGSTだ。4カ国にある5つの工場から、製品の品質に関するビッグデータを、クラウド上に構築した分析基盤に集約。品質劣化の原因を、分析を通して突き止めたことで、不良品の数を大幅に減らせたという。

 さらにHGSTでは、HDDの稼働データを収集してパフォーマンスが低下する条件をビッグデータ分析で抽出。その条件に当てはまるHDDに対して、前もって部品を交換するなど、HDD障害の発生を未然に防ぐ取り組みにつなげている。

 ファネル氏は「HGSTでは、分析基盤を作ったあとも、新しい活用策や分析手法を取り入れるプロジェクトが継続している。それが、ビッグデータ分析活用の拡大につながっている。HGSTでプロジェクトを支援している当社でも、ビッグデータの継続活用プロセスとして、DevOpsならぬ、“アナリティクスオプス”を重視。提供できるよう事業投資を進めている」と明かす。

■変更履歴
新サービスの提供形態について記事掲載当初、「日本テラデータと米シンク・ビッグが共同提供する」という内容にしていましたが、正しくは、「米シンク・ビッグの日本事業部門が提供する。日本テラデータはそれを提案・販売する」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。 [2016/11/24 20:07]