「Airbnbは旅行プラットフォームになる」。米AirbnbのBrian Chesky CEO(最高経営責任者)は2016年11月17日(米国時間)、米国で開催したイベント「Airbnb Open」でそう宣言した(写真1)。同日から一般の人々が提供する手作りの「地元体験ツアー」を世界12都市で開始。宿泊に加えてオプショナルツアーやレストラン予約など「旅行」のすべてを包括的に提供する方針を示した。

写真1●旅行プラットフォーム戦略を発表する米AirbnbのBrian Chesky CEO(最高経営責任者)
[画像のクリックで拡大表示]

 米ロサンゼルスで同日から開催したAirbnb Openは、自宅の一部などを旅行者に貸し出すAirbnbの「ホスト」を対象に、民泊サービスを改善するノウハウなどをAirbnbが提供するイベント。ITベンダーが開催する「開発者会議」の「ホスト版」に当たる。同イベントの基調講演で、同社として初めてとなる宿泊以外のサービスを発表した。

 新サービスである「体験」は、旅行会社が提供する「オプショナルツアー」に相当するサービスを、一般の人々が提供するもの。一般の人々が体験ツアーを考案して、世界中の人々にAirbnbを通じて販売する。旅行者はAirbnbのアプリケーションからそれらのツアーを予約できる。

地元のコミュニティに参加するツアー

 例えばロサンゼルスであれば、地元の人がクラシックカーにゲストを乗せてマリブまでドライブするツアー(写真2)や、プロの写真家が案内する天文写真撮影ツアーなどを提供。南アフリカのケープタウンではネルソン・マンデラ氏の元料理人とマンデラ氏の足跡をたどるツアーを、キューバのハバナでは地元のライブハウスを体験するツアーを、東京では日本刀の演武の体験ツアーを提供する。AirbnbのChesky CEOは「地元の人だけが知っている体験を楽しみ、地元のコミュニティに参加できる」と説明する。

写真2●体験ツアー「クラシックカーでのドライブ」
[画像のクリックで拡大表示]

 体験のサービスは、ロサンゼルス、サンフランシスコ、マイアミ、デトロイト、ハバナ、ロンドン、パリ、フィレンツェ、ナイロビ、ケープタウン、東京、ソウルの世界12都市で同日開始した。またこれら以外の世界39都市でも、体験ツアーの企画募集を開始した。

 もう一つの新サービスである「プレイス」は、地元のAirbnbのホストが推薦するレストランやスポットを、Airbnbのアプリから検索したり予約したりできるもの。米Resyと提携して、Airbnbのアプリからレストランを予約できるようにしたほか、米Detourと提携してGPSと連動するスマホを使った音声ガイドサービスも始めた。

 AirbnbのChesky CEO(写真3)は、体験やプレイスに加えて今後、航空機の予約サービスなどの機能もアプリに追加する予定であると明らかにした。

写真3●米AirbnbのBrian Chesky CEO(最高経営責任者)
[画像のクリックで拡大表示]

 「これまでAirbnbといえば宿泊だけだったが、今後は旅行のすべてを提供するプラットフォームを単一のアプリから利用可能にする」(Chesky CEO)。その一方でChesky CEOは「Airbnbはすべてが『人々によるもの(powerd by people)』である」とも述べ、民泊から始まった同社のビジネスモデルに変更がないことも強調した。