エリクソン・ジャパンは2016年11月10日、次世代移動通信システムである5Gに対する同社の取り組みを紹介するプライベートイベント「Networked Society Day 2016」を開催した。イベントにはエリクソン・ジャパン 代表取締役社長のマイケル・エリクソン氏とエリクソン・ジャパン 代表取締役社長 野崎 哲氏が登壇し、同社の事業方針や2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けての通信事業者の課題などについて講演した。

写真1●次世代移動通信5Gに対する関心の高さからイベントは盛況だった
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ネットワーク環境の変化を支えるために、5G環境が求められている

 同社は現在、5Gの商用サービスに向けて、全世界で27の通信事業者、12の産業界と提携している。日本ではすでにソフトバンク、au、NTTドコモの主要3事業者と5Gに関する協力関係を構築。2016年2月には、世界で初めて「屋外環境での通信容量20Gbpsを超える5Gマルチユーザ通信実験」に成功した。2017年には5Gのさらなる開発促進を目的として、東京の各所に5Gトライアルネットワークを構築する予定だ。

 エリクソン氏は、「あらゆるものがネットにつながる、ネットワーク化社会が到来しつつある」と述べ、「進化していくネットワーク環境や、それに接続されるデバイスの増加に対して、柔軟、かつ速やかに対応するためには、次世代移動通信システムである5Gだけでなく、IoT、クラウドなどの技術を利用していく必要がある」と語った。

写真2●登壇したエリクソン・ジャパン 代表取締役社長のマイケル・エリクソン氏
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 一方、エリクソン氏に代わって登壇した野崎氏は、5G開発の今後の展望として「2017年からは無線テストベッド(試験環境)での試用やフィールド・トライアルによって標準化を進めていく。2018年に開催される平昌オリンピックでは、大規模なショーケース的なトライアルを実施し、2020年には標準化に基づいた5Gの商用展開を目指している」と将来のロードマップを示した。

写真3●エリクソン・ジャパン 代表取締役社長の野崎 哲氏
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5G環境に関わるネットワークスライシング&IoT

 続けて野崎氏は、ネットワーク化社会が実現し、車や住宅、ウェアラブルデバイスがネットに接続するようになると、「それぞれが要求するデータが多様化かつ膨大化する」と指摘。それらを一つのネットワークで対応するためには、ネットワークスライシングや分散型のクラウドが必要になってくるという。

 ネットワークスライシングとは、一つのネットワークを仮想的に分割し、ユーザーの利用するサービスの要求条件に合わせて効率的にネットワークを提供する技術だ。この技術を使用すれば、リアルタイム性が求められる遠隔ロボット操作や、作業量の多いデータ処理などの異なるサービスを同時に要求されたとしても、分割したネットワークスライスに割り当てることで、スピーディーな対応が可能となる。

 野崎氏はIoTに関して「物流のような規模の大きいMTCや機械のコントロールなど低遅延が求められるクリティカルMTC、さらには、一般的なモバイルブロードバンド。このような異なる要件を同時に満足させるような形で、IoTソリューションを開発していかなければいけない。それを支えるために、4Gと5Gが連携してネットワークを提供していく必要がある」と語った。

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