インターネットイニシアティブ(IIJ)は2016年10月31日、セキュリティ事業を新ブランド「wizSafe」に統合すると発表した。同社の勝栄二郎代表取締役社長は「2015年に発生した日本年金機構の情報漏洩事件以降、セキュリティへのニーズが高まっている。2015年は100億円だったセキュリティ関連事業の売り上げを、2020年までに2倍の200億円に伸ばしたい」と目標を話した。

IIJの勝栄二郎代表取締役社長
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 新ブランドを掲げるに当たって、組織とシステムを大きな変えた。組織については、「今まではSIや通信サービス、研究開発などいろいろな部署にエンジニアが分散していた」(同社の齋藤衛セキュリティ本部長)。今回、セキュリティ事業に集中するため、セキュリティエンジニアを2016年度に新設した「セキュリティ本部」に集約させた。

IIJの齋藤衛セキュリティ本部長
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 システムについては、セキュリティ関連ログの分析基盤を構築する。「ISP(インターネット接続事業者)のバックボーンの通信、セキュリティサービスで得られるログ、IIJの独自調査で得た情報、公開情報などを統合して、リアルタイムに脅威を検知する基盤となる」(齋藤氏)。

 仮稼動ながらもここ3カ月で分析した情報は「1日当たり70億件」(同)という。IIJの複数の顧客のログを統合的に分析することで、個別企業のログ分析だけでは発見できない脅威を検知するのが狙いだ。

 「今まで人手でやっていた、セキュリティ、通信など様々なログを組み合わせた分析を支援する分析基盤を作り上げた点が、競合企業に対する強みとなる」と齋藤氏は強調する。具体的な分析の方法は非公表ながらも、齋藤氏は「当面は統計分析を実施する。将来的な機械学習や人工知能(AI)の利用も想定している」とした。分析基盤は2016年12月中旬に正式に稼働開始する予定。

 加えてIIJは新しい分析基盤を利用したSOC(セキュリティ・オペレーション・センター)サービス「IIJ C-SOCサービス」を、2017年3月に開始する予定とした。

■変更履歴
ここ3カ月で分析した情報の件数が間違っておりました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2016/10/31 17:01]