米IBMのトム・ロザミリア氏(IBM Systems Senior Vice President)は2016年10月25日、「コグニティブ時代のITインフラのあり方」と題したラウンドテーブルに登壇し、同社のハードウエア戦略について説明した。

米IBMのトム・ロザミリア氏(IBM Systems Senior Vice President)
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 ロザミリア氏は「ほぼすべての産業がテクノロジーの大変革の中にあり、ますます高度なコンピューティングの能力が必要になっている。ところが、ムーアの法則は先細りしている。以前は新技術が出てくると簡単に20倍、30倍の性能になったが、今はそれが難しくなっている」と現状認識を説明した。この課題に対する同社の取り組みとして、サーバーのアクセラレーションをアピールした。

 サーバーのアクセラレーションとは、GPUやFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて、CPUの限界を超えてサーバーの処理能力を高めること。具体的な取り組みの例として、IBMのPower8プロセッサーと米NVIDIAのGPUを高速な接続バス「NVLink」で接続したLinuxサーバーの出荷開始、オープンなインターコネクト技術「OpenCAPI」の発表(関連記事:サーバー性能を最大10倍引き上げる「OpenCAPI」)などを挙げた。「GPU、FPGAによるアクセラレーションをプラガブル(着脱可能)なアーキテクチャーにする」(ロザミリア氏)。

 IBMのハードウエア事業は、こうした“非コモディティ”に集中することも明言した。「ここ数年、Sytem x(x86サーバー)や半導体製造の売却といった大きな決断した。利益を確保するのに十分な規模を得られないと判断したからだ。今後はPower Systems(Powerサーバー)、メインフレーム、ストレージ、それらに関連するソフトウエアに投資する。メインフレームは『次の次』も開発しているし、Power Systemsは『Power9』が控えている。将来についてはメインフレーム、Power Systemsともに安泰であると言いたい」(ロザミリア氏)。

 同時に量子コンピュータやシリコンフォトニクスといった研究への投資を続け、「IBMが創立以来105年間そうであったように、今後もイノベーション企業であり続けたい」(ロザミリア氏)と結んだ。