NECは2016年10月24日、混雑度と人の流れを人工知能(AI)を使ってリアルタイムに予測する技術を開発したと発表した。大型施設やイベント会場の混雑回避に役立つとしている。大規模スポーツイベントで実証したところ、10分先の混雑状況を20%以内の誤差で予測できたという。

NECが開発した混雑予測技術の概要
(出所:NEC)
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 大型施設の中で混雑が予想される箇所が、数分から数十分後にどれだけ混在するのかを事前に把握できる技術を開発した。予測値を基に、混雑しないような人の流れに誘導するのが狙い。2017年に商用化する予定という。

 予測には、事前に施設や会場のレイアウト情報や、どの場所が坂道になっているかなどのデータが必要。防犯カメラの映像も予測に使う。

 今回開発した主な要素技術は二つある。一つ目は「群衆流量推定」である。AI技術によって防犯カメラの映像を解析し、どの方向に何人の人が向かっているのかを推定する。

 群衆の混雑度を抽出する技術と、映像から動きを抽出する技術を組み合わせた。重なり合う人の固まりを選択的に検出し、固まりのそのものの動きも統合して分析する。人が重なって見えるほどの混雑でも、その場にとどまる人数や方向別の通過人数を定量的に把握できるとしている。

 二つめの技術が、個々の人の動きをエージェントとしてモデル化し、シミュレーションによって数分から数十分後の混雑状況を予測する技術。複数の防犯カメラから得られた群衆流量推定のデータを利用する。

 個々のエージェントについて、周辺の人への追従、衝突回避、空いているスペースへのすり抜けといった動きを表現する。シミュレーションの計算量を減らすため、ぶつかることなく同じ方向にまっすぐ動いている群衆については計算を省くといった工夫を施したという。