ガートナー ジャパンは2016年10月5日、東京・品川で「Gartner Symposium/ITxpo 2016」を開催した。デジタル技術の急速な進化にともない、企業において重要性が高まりつつある「CIO」を対象としたIT専門イベントだ。

10月5日の講演「2016年のCEOの視点:CIOはどう対応すべきか」では、ガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント兼ガートナーフェロー マーク・ラスキーノ氏が登壇し、CEO(最高経営責任者)に対する調査をもとに、CIO(最高情報責任者)がそれを理解し、どのように対応すべきかについて語った。

売上アップ、収益後退の時代に、デジタルビジネスを浸透させる

 「今日の先進的なCEOは、ビジネスではデジタルを中核に据えなくてはいけないことを理解している。それは商品やサービスを再定義することだ。そしてデジタルと物理の境界が曖昧になっている」と切り出した。多くの企業が、顧客との接点にデジタルを持ち込んでいる。

 「Legoは、物理的な玩具でありながら、ビデオゲーム、拡張現実のようなデジタル分野にも目を向けている。デジタルも物理も両方やらなくてはいけない。デジタルを中核に据えるからといって、物理的な世界を諦めるわけではない」(同氏)

ガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント兼ガートナーフェローのマーク・ラスキーノ氏
(撮影=大類 賢一、以下同じ)
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 CEOが考えるビジネス戦略上の優先順位を見ると、上から順に「成長(54%)」「顧客(31%)」「要因(27%)」「企業(24%)」「IT関連(24%)」が並ぶ。IT関連は5番めに来ているが、昨年は2位だった。しかし、昨年のパーセンテージは25%であり、わずか1%の差でしかない。

 金融危機が終わって数年経っている。しかし、主要市場の上場企業の5年間を振り返ってみると、今は収益の成長率が鈍化しているという。

 「全体の売り上げは下がっていないが、収益が伸びるスピードが鈍ってきている。しかしCEOはデジタルによって利益率を改善できると信じている。CIOは、そういう流れの中でデジタルビジネスの浸透を深め、収益の後退に対抗できるよう支援することが求められている」(同氏)

 例えばホテル業界では、かつては旅行業者が仲介して、旅行客とホテルをつないでいたが、今は直接予約が広がっている。独自サイトなどを使った直接予約は、利益率を上げる効果が大きい。デジタルの力で、売り上げや予約率、稼働率を上げていこうというアプローチの1つの例である。調査では、多くの業界のCEOが、デジタル化による売上増を期待しているという結果が見える。

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