AI(人工知能)を使った行動情報の分析や調査事業を手掛けるレイ・フロンティアは2016年10月13日、アドライト主催のイベント「日本流オープンイノベーションによるインダストリー4.0の未来」にてスマートフォンアプリによる行動誘発で健康促進を図る取り組みの成果を初めて紹介した。個人の行動パターンを解析し、行動を誘発する動機を与えることで歩行距離や運動量を増やせるという。同社は地図会社の国際航業と共同で取り組む未病対策の実証実験において、実験に参加した高齢者の約半数の歩数を3~4割増やせたという。

レイ・フロンティアが提供する位置情報アプリ「SilentLog」と、行動分析サービス「SilentLog Analytics」
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 レイフロンティアは国際航業と共同で、2016年初旬から仙台市において住民の健康管理や都市運営に向けた実証実験に取り組んでいる。高齢者の運動量を増やす実験では、同社の開発するスマートフォンアプリに日々の歩数を表示したり、歩数を増やすようなゲームを提供したりするなどした。行動情報をGPS(全地球測位システム)情報で分析し、健康促進の効果を確認したという。

 同社はスマートフォンで位置情報を集計するアプリ「SilentLog(サイレントログ)」と、得られた情報を基に個人の行動パターンを解析する「SilentLog Analytics」を提供する。SilentLog Analyticsを利用することで、利用者の行動傾向や感情推定、行動を誘発する要因の推定などが可能だ。将来的に同社は、健康情報の管理や属性に基づく広告配信、顧客行動調査などへの利用を想定する。行動分析に用いるAIは、米IBMの機械学習処理技術「Spark as a Service」などを活用する。

データ処理の流れ
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 レイ・フロンティアCEO(最高経営責任者)の田村建士氏は、2016年4月に発生した熊本地震でSilentLog利用者の行動分析から交通経路や被災地点、対流地点の把握ができたことも紹介。準リアルタイムでの可視化が可能なことから、さまざまな用途に応用できるとした。

レイ・フロンティアCEO(最高経営責任者)の田村建士氏
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