カドカワは2016年10月13日、学校法人角川ドワンゴ学園が4月に開校したN高等学校(以下N高)の半年間の活動実績を公開した(写真1)。N高は高校卒業資格を取得できる単位制の通信制(広域)高等学校(関連記事)。高校卒業資格を取得するための授業だけでなく、多様な分野の課外授業をネットを介して提供するほか、他の教育機関などと提携した“リアル”な受講コースを設けている。

写真1●2016年4月に開校した“ネットの高校”N高等学校の実績を発表するカドカワ代表取締役社長の川上量生氏
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 課外授業として提供するネットによる双方向授業「N予備校」では、大学受験や職業につながる様々な講座を用意。大学受験講座を受けているN高生は272人、プログラミング授業を受講しているN高生は287人いるという。10月時点のN高の生徒数は2015人(4月時点では1482人)であり、1割超のN高生がプログラミングを学んでいることになる。

 授業も実践的で、プログラミング授業ではカドカワのグループ会社であるドワンゴの現役プログラマが教壇に立ち、「ドワンゴに入社した新卒エンジニアの研修と同レベル」(カドカワ代表取締役社長の川上量生氏)の内容を学ぶ。「Scala」によるプログラミングスキルなども習得できるという。開校から半年だが、6人のN高生がWebプログラミングのコンテストに、4人がプログラミング能力などを競う「パソコン甲子園」に出場した。

 また、同校では教師から生徒への連絡や、生徒同士のコミュニケーションに「Slack」を利用し、全生徒にライセンスを発行すると発表していたが(関連記事)、実際、N高生の93.9%がSlackを利用しており(写真2)、1日の平均利用者は500人に上るという。レポート提出などには「GitHub」も活用している。

写真2●N高生の93.9%が「Slack」を利用する
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 カドカワは同日、2017年4月から東京と大阪でN高の「通学コース」を設けることを発表した。東京・代々木と大阪・心斎橋にキャンパスを新設(写真3)。生徒40~50人に対して3人の担任および担任助手を配置して学習をサポートする。通学コースとはいっても、高校卒業資格取得のための授業は生徒各自がネットで受け、リアルな場ならではの選択制の授業を用意する。例えば、少人数制の外国語の授業や、各界の著名人を特別講師に招いたグループワーク中心の特別授業などだ。特別講師は、慶應義塾大学総合政策学部准教授で教育経済学者の中室牧子氏や、Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろ氏などが務める。

写真3●N高「通学コース」の東京キャンパス
(出所:カドカワ)
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