シスコシステムズは2016年10月12日、2017年度の事業戦略を発表した。中小企業向けや業界別製品を拡充し、パートナー企業との協業を進める。目的は消費型サービスモデルの売上高を上げること。鈴木みゆき社長は「サービスビジネスの売上高比率はグローバルで約28%。2020年までに50%まで増やす目標がある。日本でも同じ比率を目指していく」と話した。

鈴木みゆき 代表執行役員社長
[画像のクリックで拡大表示]

 昨年発表した「日本市場により根ざした事業展開」「顧客企業のデジタルビジネス推進」「製品やサービス事業を一体にした総合力の強化」の3点に2017年度も継続して取り組む。製品を拡充し「2017年度はより具体的な成果を目指していく」(鈴木社長)という。

 特に力を入れるのは「顧客企業のデジタルビジネス推進」だ。ハイブリッドクラウドやIoT(インターネット・オブ・シングズ)に取り組む企業がさらに増えると見込んでいる。

 IDCジャパンは日本企業の74%がパブリッククラウドを含むハイブリッドクラウド環境に向けた戦略を持っているとの調査結果を発表している。クラウド利用モデルとしてプライベート、マネージド、パブリックと複数の選択肢があり、企業は組み合わせてシステムを運用しているという。

 濱田 義之 執行役員 CTO(最高技術責任者)はこの調査結果を引用し「複雑化するネットワーク環境をシンプルな操作で安全に運用できるサービスが必要だ。ハイブリッドクラウドのための製品を包括的に提供していく」と話した。複数のクラウド環境をまとめて管理する「CloudCenter」や、ネットワーク接続を監視するDNSサービス「OpenDNS」など、複数のクラウドサービスを2017年度中に日本で提供開始する。

ハイブリッドクラウドを使う企業に向けたサービス群を紹介する濱田 義之 執行役員 CTO(最高技術責任者)
[画像のクリックで拡大表示]

 IoTではパートナー企業と協力してサービスの開発を進める。既にファナックやヤマザキマザックとの協業で、稼働率の可視化や故障を予測した未然保守の取り組みで成果を得ており、今後は製造業以外にも協力企業を増やしてIoTシステムの開発に取り組むという。

 「日本市場により根ざした事業展開」と「製品やサービス事業を一体にした総合力の強化」では、製品の拡充を目指す。中小企業や地方自治体向けのハードウエア製品を拡充し、「金融」や「教育」といった業界別のソフトウエア開発、サブスクリプションモデルのパッケージ販売を進める。

 鈴木社長は「日本市場に合わせたハードとソフトを拡充して、大企業にハードウエアを売る企業というイメージを払拭する」と戦略をまとめた。