エリクソン・ジャパンは2016年9月21日、第5世代移動通信システム(5G)の無線装置に関する記者説明会を開催した。5Gの新無線技術(NR:New Radio)を使った無線装置「AIR 6468」を2017年中頃に提供開始する。同社によると、ハードウエア変更なしで標準化後のNRにそのまま対応できる商用製品としては世界初という。

エリクソン・ジャパン CTOの藤岡雅宣氏
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AIR 6468
(発表資料より)
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 5Gの無線アクセス技術は、既存のLTEを進化させた技術と、全く新しい無線技術であるNRに分けられる。今回の製品では、NRの主要な要素技術である「マッシブMIMO」および「マルチユーザーMIMO」を先取りしている。

5G無線アクセス技術
(発表資料より)
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 マッシブMIMOは、多数のアンテナで伝送容量を増やす技術であるMIMO(Multiple Input、Multiple Output)のうち、アンテナ数を大規模に増やしたもの。マルチユーザーMIMOは、基地局が複数の端末に対して個別に電波ビームを飛ばし、同時に通信することで帯域を効率利用する技術だ。

ビームフォーミングで電波を遠くまで飛ばす
(発表資料より)
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 これらの技術では、多数のアンテナを使うことで電波の指向性を上げ、鋭いビームを遠くまで飛ばすことができる。これにより減衰が大きく、モバイル通信には使いづらいと考えられてきた高周波帯域を有効利用できるようになるという。

 AIR 6468は、64個の送信・受信アンテナ、各アンテナの無線ユニットを一体化した。最大16 MIMOに対応する。送受信する信号を処理するベースバンド装置については、既存のLTE向けをソフトウエアの更新だけで使えるようになるという。「まずはTD-LTE向けに展開を開始する。2.5G〜2.6Gのバンド41を使うことになると見ている」(エリクソン・ジャパン CTOの藤岡雅宣氏)とする。