組み込み用途のOSを手がけるウインドリバーは2016年9月15日、IoT(モノのインターネット)分野における同社の取り組みについて、説明会を開催した。直近では8月末に、IoTデバイスからデータを収集したりIoTデバイスをリモート管理したりするためのクラウドサービス「Helix Device Cloud」を強化し、セキュリティを高めた。

 同社は、IoTデータを活用するために必要な製品サービスを一通りそろえている。2015年11月には、マイコン(MCU)を搭載したIoTセンサー向けに最小実装サイズを4KバイトとしたOS「Wind River Rocket」と、LinuxをベースにIoTデバイス向けに軽量化したOS「Wind River Pulsar Linux」をリリース。さらに、IoTデバイスの開発環境や管理機能を提供するクラウドサービス群も提供開始した。

IoTデバイス向けの組み込みOSやIoTデバイス管理クラウドなど、IoTデータを活用するために必要な製品サービスを一通りそろえる
(出所:ウインドリバー)
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 今回、クラウドサービス群のうち、IoTデバイスの管理機能を提供する「Helix Device Cloud」を強化した。IoTデバイス側に専用のエージェントをインストールして利用するクラウドサービスで、IoTデバイスからデータを取得してクラウドに収集する機能と、クラウド上のコンソール画面からIoTデバイスを管理する機能などを提供する。

米ウインドリバー IoT/クラウド部門 ゼネラルマネージャー サントーシュ・ナイール氏
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 Helix Device Cloudの強化では、IoTデバイス側のエージェントソフトの強化によってネットワーク接続のセキュリティを高めたほか、クラウド上のGUIコンソールを刷新してデバイスを管理しやすくした。「IoTは総合的なセキュリティが重要になる」と、米ウインドリバーでIoT/クラウド部門のゼネラルマネージャーを務めるサントーシュ・ナイール氏は力説する。IoTデバイスだけでなく、データを転送するネットワークなど周辺要素を含めてセキュアにする必要があるという。

Helix Device Cloudの強化では、GUI画面を刷新してデバイスを管理しやすくしたほか、エージェントソフトの強化によってセキュリティを高めた
(出所:ウインドリバー)
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 ナイール氏は、市場調査データを引き合いに、IoT市場が拡大している点に触れた。特に日本を含めたアジア太平洋地域において市場が急伸しているという。IoT市場が拡大している大きな理由は、IoTデバイスの接続コストが下がっていることという。10年前と比べて、計算処理コストは60分の1に、センサーコストは2分の1に、通信帯域コストは40分の1に下がったという。

 同社が手がけたIoT事例のユースケースは、大きく四つに分類できるという。(1)特定の場所での監視は、銀行の店舗やホテルなどにおいて、顧客の体験を追跡するために利用する。(2)自社製品の監視は、販売した製品の稼働状況を監視し、アフターサービスに利用する。(3)生産や配送の工程の監視は、これらのオペレーションがうまくいっているかを調べる。(4)製品の利用状況の監視は、ユーザーがどのように使っているかを調べる。