写真1●日本オラクル クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部 HCMソリューション部の津留崎厚徳部長
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写真2●社員の人脈などを活用して人材を獲得する「ソーシャル・リクルーティング」
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写真3●社員の未来の退職率やパフォーマンスを予測
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写真4●日本オラクル 執行役員の遠藤有紀子人事本部長
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 日本オラクルは2016年9月6日、「HR(Human Resource)テック」に関する事業説明会を開催した。HRテックとは人材活用や管理などの業務へのIT活用のこと。SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)である「Oracle Human Capital Management(HCM)Cloud」の機能を解説したほか、自社の人事部門における取り組みを紹介した。

 「HRテックがメディアをにぎわしているが、企業の人事部が抱える課題は昔と変わっていない」。同社クラウド・アプリケーション事業統括 ソリューション・プロダクト本部 HCMソリューション部の津留崎厚徳部長は話す(写真1)。人事にまつわる業務を改善するには部門をまたいだ情報共有が必要だが、「企業には人事の情報はみだりに外に出すものではないという考えがあり、部門間でのデータ共有が進んでいない」(津留崎氏)。例えば採用面接など入社前の情報と、入社後の職務履歴や評価などの情報をまとめて見られるようにしている企業は限られているという。

 こうした課題をITを活用して解決するのが、同社が考えるHRテック。各種データの活用をしやすくして業務を効率化したり、人事獲得や配置、育成にまつわる意志決定を支援したりといったことを目指す。“AIで採用面接”といった話題と比べると目新しさには欠けるが、従来の典型的な課題の解決を重視しているという。

 人材獲得の支援機能として紹介したのが、Oracle HCM Cloudの「ソーシャル・リクルーティング」(写真2)。社員の人脈やSNSを活用した新規人材発掘を支援するサービスだ。まず人事部が求人情報を登録し、その情報を拡散してくれそうな社員を選ぶ。するとその社員に、知人への紹介を促すメッセージが送られる。メッセージ内にはFacebookやLinkedInで当該の求人情報を紹介するためのリンクが埋め込まれており、クリックすれば各種SNSで求人情報を発信できる。これを通じて、人材紹介サイトなどでは出会えなかった人材を発掘できる。誰が発信した情報で何人が応募してきたか、といったことも追跡できるという。

 人材管理については、過去のデータを基に未来の退職率やパフォーマンスを予測する機能をアピール(写真3、関連記事:最初の上司が新人の成長を決める、AIで分かった人材活用のポイント)。健康状態やボランティア参加状況など、従業員の業務外の情報を管理/活用してモチベーションの向上につなげるサービスも用意する。

 説明会には、同社執行役員で人事本部長を務める遠藤有紀子氏も登壇(写真4)。ユーザーの立場で、HRテックの重要性を語った。世の中の変化のスピードが増す中で、人事部門には「企業の競争力を維持する上で次の一手となるのは何か。それを、人事の観点から経営陣にアドバイスすることが求められている」(遠藤氏)。そこでITを活用し、人事にまつわる情報を効率的に収集/分析。そこから得られた結果を基に打つべき策を考える作業に、人事部員の時間や労力を振り向ける。

 実際に同社の人事部門では、100種類を超えるデータを活用。それぞれを統合的に分析することで「組織を立体的に浮かび上がらせる」(遠藤氏)。その上で議論を重ね、人事戦略を立案しているという。